連載

沖縄「復帰50年」の群像

沖縄が日本本土に復帰して2022年5月で50年。本土とは異なった戦後史を刻んでいる沖縄の「いま」を考えます。

連載一覧

沖縄「復帰50年」の群像

「沖縄戦の図」無音の叫び 芝居の力で記憶継承の新たな空間に

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷
「沖縄戦の図」の前で一人芝居「いのち」を演じた北島角子さん=2006年5月5日、國吉和夫さん撮影
「沖縄戦の図」の前で一人芝居「いのち」を演じた北島角子さん=2006年5月5日、國吉和夫さん撮影

 音のないこの空間に、さまざまな声や音、息づかいが聞こえてくるようだ。上間かな恵さんは学芸員の職を得る前、開館して間のない佐喜眞美術館を一般来館者として訪れ、館内に置いてあった感想ノートに、展示室が醸し出す「無音の力」を書き記した。

 雑音を排し、緊張感さえ漂わせる静謐(せいひつ)な空間。無音であっても、向き合う人がそれぞれに「聞き耳」を立て、想像の翼を広げることで作品が発する何かを感知できる。美術館の「友の会」に入り、頻繁に通ううちに展示室の空間に大きな意味があることに気が付いた。

 展示室は一直線に並んで三つ。第1展示室が8メートル四方に高さ3・5メートル、第2展示室は10メートル四方に高さ4・5メートル。一番奥に位置する12メートル四方、高さ5・5メー…

この記事は有料記事です。

残り2570文字(全文2901文字)

あわせて読みたい

この記事の特集・連載
すべて見る

注目の特集