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沖縄の医師「地獄見ないと元に戻れない」 危機感薄れる世間

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新型コロナウイルスの患者を救急車から運び入れる医療スタッフら=沖縄県豊見城市の友愛医療センターで2021年8月23日午後2時53分、竹内望撮影
新型コロナウイルスの患者を救急車から運び入れる医療スタッフら=沖縄県豊見城市の友愛医療センターで2021年8月23日午後2時53分、竹内望撮影

 新型コロナウイルスの感染爆発が続く沖縄県の医療提供体制が危機に直面している。国の緊急事態宣言が発令されて3カ月がたつが、人口当たりの新規感染者数は7月末以降、全国最悪の状態が続き、県内の医療関係者からは「医療崩壊が既に起きている」「救える命の選択を迫られる時期が来ている」との声も上がる。最前線で対応に当たるある病院の一日を追った。

病床満室に頭悩ませ

 23日午後5時12分、沖縄本島南部の豊見城(とみぐすく)市の民間病院「友愛医療センター」に人工呼吸器につながれた70代の重症患者が、30キロ以上離れた本島中部の病院から救急搬送されてきた。防護服を着たスタッフが新型コロナの重症者用病床のある高度治療室(HCU)に運び込む。

 友愛医療センターに他の病院から重症患者が運び込まれたのは、この時が初めてだった。センターは従来、主に軽症と中等症の患者を受け入れ、重症化すれば重症治療に特化した別の病院に移送していた。しかし、県内の医療体制の逼迫(ひっぱく)に伴い、8月上旬からは重症患者も入院することになった。さらにこの日は、本島中部の重症病床に空きがなかったため、他院からの受け入れまで県から求められた。

 70代の患者が搬送されてきた時点でコロナ患者専用病床は残り一つになったが、15分後の午後5時27分には新たに60代の患者が運ばれてきた。開業医から県を通さずに連絡があった、いわゆる「飛び込み」の患者。救急科医長の山内素直(すなお)医師(39)は「夜間の急患対応のために専用病床を空けておきたい」と悩んだが、患者には中等症相当の症状があり、「受け入れざるをえない」と判断した。

 23日時点でセンターが確保していたコロナ病床は中等症用24床と重症用のHCU4床。この日、3人が退院したが、新たに4人が入り、結局満床となった。「夜に患者が来れば、…

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