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情報「黒塗り」 入管収容女性死亡 監視映像全開示も拒む非人道=金平茂紀

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 テレビの語源は「遠くの映像」だ。映像が物語る世界は私たちの想像力を無限に広げてくれる。世界をより豊穣(ほうじょう)に、幸福なものに近づけてくれる。だがその映像が、理不尽な力によって隠されようとしたならば、さまざまな人々の力によって、それを開示させなければならない。

 名古屋の入管施設に収容されていたスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさんが死亡したケースは、テレビ報道が力を発揮すべき点が実に多い。この件での法務省・入管側の姿勢はひどすぎる。あえて言えば、人の道を外れている。国際社会のあらゆる人権規約に照らしても、入管側の対応は非人道の極みだ。

 遺族、弁護士らがウィシュマさんへの入管側の対応に関する情報開示請求を行ったところ、約3カ月後、開示文書(コピー)の入った段ボール箱三つが郵送されてきた。中には1万5113枚の開示文書のコピーが入っていたが、そのほとんどがマスコミ業界用語でいう「ノリ弁」=真っ黒な墨塗りが施されていた。これで「情報開示」と言うのか。ご丁寧なことに入管は、紙のコピー代=15万6790円をきっちりと請求した。

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