日本固有種、ワサビを「謎解き」 山根京子准教授著作に辻静雄食文化賞

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 岐阜大応用生物科学部准教授の山根京子さん(栽培植物起源学)が出版した『わさびの日本史』(文一総合出版)が第12回辻静雄食文化賞を受賞した。日本人の食生活に身近で欠かせないワサビは、日本の野生植物から生まれた数少ない食材の一つ。「文献を網羅的に調べ上げ、ワサビの歴史を広範にひもといた」と評価された。

 本は2006年春、山根さんが山の沢でワサビの花を目にしたところから始まる。そして問いかける。「これが真の野生の姿なのか? それとも、誰かが持ち込んだ栽培物の生き残りなのか?」「『いつ頃(ごろ)』『どこで』『どうやって』『誰の手』により、ワサビは特別な植物として認識されるようになったのだろうか」

 内容は本格的だが、ミステリーのように進行する。中国雲南省でワサビとうり二つの植物を発見し、「日本固有種という常識が覆されるのではないか」とハラハラしたり、DNA分析の結果、固有種性が結論づけられたり。また、「すしにはワサビ」が定番となった理由を探るべく、江戸時代の随筆集や百科事典をひもといたり。「栽培植物起源学は遺伝学や民族学などいろいろな知識を総合的に集めて、野生植物から栽培植物が生まれる経緯…

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