リーダー人材枯渇 課題となった民族バランス/2
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アフガニスタンのイスラム主義組織タリバンが20年ぶりに復権した。米国主導の国際社会は心血を注いでアフガンの民主化を支援してきたが、事実上頓挫した。背景には何があったのかを探る。【秋山信一(ワシントン)、松井聡】
2001年10月17日、米ワシントンのホワイトハウス。ブッシュ(子)政権のチェイニー副大統領が、国連のブラヒミ・アフガン担当特別代表と、国連本部の川端清隆政務官(66)=現・福岡女学院大特命教授=に丁寧な口調で切り出した。「我々はアルカイダとタリバンを倒す。和平に関しては、国連にお願いしたい」
アフガンへの攻撃を開始した米国の懸念は、タリバン政権崩壊後に「政治の空白」が生まれることだった。米軍が10月に空爆を開始すると、タリバン政権はわずか2カ月で崩壊した。
国連が急ピッチで和平への枠組み作りに奔走する中で、最大の課題となったのは、タリバンに代わる多数派パシュトゥン人の代表として、誰を据えるかだった。アフガンの安定化には、人口の4割を占めるパシュトゥン人を取り込むことは欠かせないと考えていた。
ブラ…
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