通知表から「所見欄」が消える? 「形骸化」「慣例」見直し広がるか

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北九州市立中学校で今年度から使っている通知表の見本。2020年度まで所見欄があった右下の部分は1、2学期は空白になっている=北九州市内で2021年8月5日、青木絵美撮影
北九州市立中学校で今年度から使っている通知表の見本。2020年度まで所見欄があった右下の部分は1、2学期は空白になっている=北九州市内で2021年8月5日、青木絵美撮影

 北九州市の市立中学校が2021年度から、通知表のうち校内での生活の様子などを担任が記す所見欄を学年末の1回のみに減らした。学期ごとに一人一人に所見を書くことが教員の長時間労働につながっている面もあり、三者面談で子どもたちの様子を伝えられる1、2学期末は必ずしも必要ではないと判断した。教員の働き方改革が叫ばれる中、形骸化を指摘する声もある所見欄を見直す動きは他の地域でも出ているが、長年の慣行だけにさまざまな意見が出そうだ。

 通知表は、学校教育法施行規則に基づいて作る指導要録と違い、作成や様式を学校独自に決められる。北九州市では、全62校の校長でつくる市立中学校長会が、21年度からの新学習指導要領全面実施に合わせ、2年ほど前から基本書式の改定を検討してきた。その過程で実施したアンケートで所見欄は「必要ない」との意見が多く、年1回にすることにしたという。校長会の井上勝美会長(曽根中校長)は「三者面談で所見以上に生徒の状況を十分伝えられる、という理由で一致した」と説明する。

 所見は短行ながら、担任が下書きして学年主任や教頭、校長が順にチェックするため、多くの手間と時間がかかる。20年度は新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、例外的に前後期の2学期制だったが、市教委によると、残業時間が45時間を超えた中学教諭が最も多かったのは成績処理がある前期末の10月で、全教諭の4割超に上った。

 北九州市立中の40代男性教諭は「所見の下書きは部活動後の勤務時間外にやっていた」と明かし、所見欄がなくなった21年の1学期末は「夏休みの宿題作成の時間を充実させられた」と振り返る。30代の男性教諭も、21年の1学期は部活動に顔を出して生徒と過ごす時間が増えただけでなく…

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