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戦後76年の表現者たち

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戦後76年の表現者たち

/4止 大西茅布さん うそのない悲惨を描く

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アトリエで新作「哲学者の追憶」を描く大西茅布さん=東京都豊島区で2021年8月12日、平林由梨撮影
アトリエで新作「哲学者の追憶」を描く大西茅布さん=東京都豊島区で2021年8月12日、平林由梨撮影

 せわしなく人々が行き交うJR池袋駅から徒歩5分。雑居ビルの一室のドアを開けるとテレピン油のツンとしたにおいが鼻を突いた。壁という壁に描きかけのキャンバスが立てかけてある。その中のおびただしい数の顔は浅黒く沈み、泣き叫んだり、おびえたり、放心したりしている。立ち尽くしていると、作者の大西茅布(ちふ)さん(18)が「どうぞ」と椅子を勧めてくれた。

 今年2月、若手アーティストの登竜門、「第24回岡本太郎現代芸術賞」の最高賞、岡本太郎賞を最年少の17歳で受賞した。受賞作は大小の油絵60点が約5メートル四方の壁面と空間を埋め尽くす「レクイコロス」。さまざまなボリュームの肉体が重みのある色の中で群像となってうごめく大作だ。題名は「レクイエム(鎮魂)」と「コロナウイルス」を合わせた造語。「私にとって最も身近な戦争はコロナとの戦いです。神話や過去の悲…

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