「最良」を意味する標準治療 最新の知見を吟味=荻田和秀・りんくう総合医療センター産科医
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医学とは関係ない分野で活躍している知人に「○○医師ってどう?」ってきかれたことがあります。僕はその人を知っていたので、褒めるつもりで「ああ、割とまともな人だよ」と言ったところ、知人は目を丸くして黙ってしまいました。日本語というのは本当に難しいと思います。このコラムも、自分のイメージと伝えたい内容を読者の方が再生できるようにと思って書いていますが、読者はそれぞれに理解するので、僕のイメージ通りに再構築できないこともあるのではないでしょうか。これは楽譜でもそうです。クラシックの楽曲でも、弾き手(読み手)によって全く違う感じになるのはご存じの通りです。
僕たち医者は、情報が正しく伝わるように言葉の定義などを厳密に決め、イメージに食い違いがないように教育されます。それが医学以外の分野の人にはとても奇異に感じることがあるようです。よく誤解されるのが「標準治療」という言葉です。その語感から「必要最低限の治療」とか「知識や技術のない医者でもできる治療」と捉えられなくもありません。僕が標準治療を説明すると、「私はスペシャルな治療を受けたいの」「高度な医療…
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