進まぬ高齢者施設の水害対策 転倒リスクなど訓練や避難先確保難しく

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「ふれんどりー岩泉」で職員や近隣企業の社員らが参加して行われた避難訓練=岩手県岩泉町で2021年6月24日午後1時37分、安藤いく子撮影
「ふれんどりー岩泉」で職員や近隣企業の社員らが参加して行われた避難訓練=岩手県岩泉町で2021年6月24日午後1時37分、安藤いく子撮影

 2016年8月の台風10号で岩手県岩泉町の小本川が氾濫して高齢者グループホーム「楽(ら)ん楽(ら)ん」に濁流が流れ込み、入所者9人が亡くなった災害から5年が過ぎた。水防法改正のきっかけにもなった災害。この間、災害弱者を守る防災意識は変わったのだろうか。【安藤いく子】

 国は17年、水防法を改正し、水害リスクが高い浸水想定区域の「要配慮者利用施設」に避難確保計画策定や避難訓練を義務付けた。

 ただし、実施状況は低調だ。毎日新聞が47都道府県に取材したところ、要配慮者利用施設のうち高齢者や障害者らが利用する施設は今年3月末時点で7万7045カ所。このうち避難訓練を実施しているのは約25%、1万9073カ所にとどまることが判明した。理由について、佐賀県の担当者は「避難先は介護設備が整っているなど制約があって簡単に見つからず、訓練も実施しにくいからではないか」とみる。また、国は今年度中に全施設で避難確保計画の作成を完了する目標を掲げるが、計画を作成しているのは全体の7割弱、5万1795カ所だ。

 楽ん楽んの災害の後も、…

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