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ドレフュス事件について、冤罪(えんざい)事件であり、言論弾圧やユダヤ人迫害に関わるものという漠然としたイメージは持っていた。この三つの要素はもちろん重要だが、それらが互いに絡み合い、他にも複雑な背景を持つ出来事であったことを、アラン・パジェス著『ドレフュス事件 真実と伝説』(吉田典子・高橋愛訳、法政大学出版局)を読み、ようやく知った。
事件は1894年10月、フランスの陸軍大尉、アルフレッド・ドレフュス(1859~1935年)が、ドイツのスパイ容疑で逮捕されたことに始まる。2度にわたり軍法会議で下された有罪判決が、最終的に「過誤、過失」によるものとして無効となったのは1906年だった。
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