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紀伊半島豪雨10年

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紀伊半島豪雨10年

「あすを生きる」/2 被災が生んだ絆と愛着 「伏菟野は最高の古里」 /和歌山

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製作に関わった災害復興記念碑の前に立つ打越大吾さん=和歌山県田辺市伏菟野で、竹内之浩撮影
製作に関わった災害復興記念碑の前に立つ打越大吾さん=和歌山県田辺市伏菟野で、竹内之浩撮影

 2011年9月の紀伊半島豪雨による土砂崩れで、母と祖母を亡くした中原真耶さん(25)は小学5年生の時、被害を受けた田辺市伏菟野地区に引っ越してきた。既にグループができていた同級生にあまりなじめなかったため、災害が起きる前までは伏菟野のことが好きではなかったという。

 しかし、被災後約2カ月続いた小学校での避難所生活でそんな気持ちは変わっていった。地域住民が自宅のお風呂を貸してくれたり、おかずや食材を差し入れてくれたりした。将来への不安から、ピリピリした雰囲気となっていた親たちから子どもたちを遠ざけようと、遊び場として自宅を開放してくれた人もいた。仲間たちと過ごす何気ない時間の中で、絆や地域への愛着が生まれた。

 さらに17年から約2年間、伏菟野の自宅跡地に整備された農地を父・山本頼路さん(52)が地元の人に貸して始まった、キクラゲのハウス栽培事業に参加したのを機に、祭りなど地域の行事にも積極的に参加するようになった。「多くの人に助けてもらい、本当に感謝している。伏菟野はずっとつながっていたい、大切な場所になった」と語る。

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