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第103回全国高校野球選手権

第103回全国高校野球選手権大会(2021年)の特集サイトです。

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コロナ、長雨に揺れた夏の甲子園 持続可能な大会へ議論必要=園部仁史(大阪社会部)

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1回戦の日大東北(福島)-近江(滋賀)は五回裏近江2死満塁の時、降雨のため中断。2時間22分待った末にノーゲームで翌日再試合となった=阪神甲子園球場で2021年8月19日午前9時5分、平川義之撮影
1回戦の日大東北(福島)-近江(滋賀)は五回裏近江2死満塁の時、降雨のため中断。2時間22分待った末にノーゲームで翌日再試合となった=阪神甲子園球場で2021年8月19日午前9時5分、平川義之撮影

 新型コロナウイルス禍による昨年の中止を経て、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で2年ぶりに開催された第103回全国高校野球選手権大会。私は大阪大会と本大会を通して取材した。躍動する球児たちの姿が多くの人を勇気づけた一方、今年も続くコロナ禍に異常な長雨が加わり、大会は揺れ動いた。予定より4日遅れの8月29日に決勝を終えたが、問題がなかったわけではない。重大な感染症や近年激しさを増す異常気象は来年以降も起こりうる。日程なども含めて大会のあり方を根本的に再検討する契機になるのではないか。

 昨夏も甲子園交流試合を取材したが、コロナ禍により無観客で各校1試合ずつ。ある参加校の主将は試合後、「開催していただけて本当に感謝したい」と話したが、1対1になった時にもう一度尋ねると、「正直に言えば子供のころから憧れていたトーナメント形式の“普段の甲子園大会”でやりたかった」と打ち明けた。今年こそは例年通りの開催をと、私も強く願った。

宿舎にこもりストレスも

 だが、開幕すると未曽有の長雨という思わぬ壁が待ち受けていた。順延は5度あった1975年を上回る過去最多の7度。小雨とは言えない中での試合や2度のノーゲームの他、23年ぶりの降雨コールドゲームもあった。度重なる日程変更で多くのチームが振り回され、終盤の休養日は削減された。代表チームは甲子園球場近くの宿舎生活を求められるが、新型コロナ感染防止のため食事や練習…

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