連載

私が思う日本

東京に駐在する外国メディアの特派員たちが見た日本の姿を伝えます。

連載一覧

私が思う日本

東京五輪で感じた 日本の組織に特有のある「空気」

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷
東京五輪が開催されている中、日本橋に設置された五輪のシンボルマークの向こうに広がる夏雲=東京都中央区で2021年8月3日午後1時10分、吉田航太撮影
東京五輪が開催されている中、日本橋に設置された五輪のシンボルマークの向こうに広がる夏雲=東京都中央区で2021年8月3日午後1時10分、吉田航太撮影

 東京に駐在する外国メディア特派員の目に、私たちの社会はどう映っているのだろうか。韓国、フランス、米国、バングラデシュ、シンガポールの個性豊かな記者たちがつづるコラム「私が思う日本」。第20回のテーマは、日本の組織に特有の「ある空気」。聯合早報(シンガポール)の符祝慧・東京特派員が切り込む。

 前回の1964年東京オリンピックは、当時の人々にとって忘れがたい、成功裏に終わった一大イベントだった。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が起きる以前は、多くの日本人から、五輪が東京に戻ってくることへの期待を感じられた。私も、選手たちの躍動する姿を間近で見られると期待していた。

 感染症の流行はこの期待を打ち砕き、五輪開催に対する国内の反対が7割に達した世論調査もあった。しかし競技が進むにつれ、世論に変化が表れた。毎日新聞が五輪閉幕後の8月28日に実施した世論調査では、回答者の53%が東京五輪を「楽しめた」と答えた。

 開幕前、五輪開催を進める政府に不満を募らせていた国民は、日本の選手たちの活躍を見て、否定的な見方をしなくなったのだろうか。もしくは卓球の混合ダブルスで日本が中国を破って金メダルに輝き、五輪に対するプラスの評価が最高潮に達したのだろうか。

 今回の東京五輪は一体、どんな大会だったのかを振り返ってみたい。

 まず私が驚…

この記事は有料記事です。

残り2237文字(全文2807文字)

あわせて読みたい

この記事の特集・連載
すべて見る

注目の特集