インディカ米を原料に日本酒 海外醸造に道 群馬の土田酒造

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中長粒米「プリンセスサリー」を使った日本酒「研究醸造 Data14」を紹介する土田酒造の土田祐士社長=群馬県川場村で、庄司哲也撮影 拡大
中長粒米「プリンセスサリー」を使った日本酒「研究醸造 Data14」を紹介する土田酒造の土田祐士社長=群馬県川場村で、庄司哲也撮影

 群馬県川場村の土田酒造(土田祐士社長)は、日本で食用や酒造用に使われる短粒米のジャポニカ米ではなく、中長粒米のインディカ米を原料とした日本酒「研究醸造 Data14」を発売した。近年、海外でも日本酒の酒蔵が誕生しているが、東南アジアなどで栽培される中長粒米を使うことで、海外で日本酒を醸造する際の原料調達に新たな道を切り開くことになる。【庄司哲也】

 仏パリの醸造所で日本酒造りに取り組む日本酒ベンチャー「WAKAZE(ワカゼ)」(本社・山形県鶴岡市、稲川琢磨社長)とコラボレーションし、同じ原料米で土田酒造は日本酒を、WAKAZEはどぶろくを作った。

 原料の中長粒米「プリンセスサリー」は、南アジアで最高級米といわれているインディカ米「バスマティライス」を日本で栽培できるように改良した品種で、細長く香りが高いのが特徴。土田酒造は藤岡市内で有機栽培された米を使っている。

 土田酒造ではこれまでも「低アルコール」「米を削らずに溶かす」など、テーマを持った日本酒造りにチャレンジしてきた。土田社長らがプリンセスサリーを食用として食べたところ、非常に香りの高い米という印象を持ち、「この香りを酒に生かすことはできないか」と思い立ったという。

 日本酒の酒蔵は近年、ノルウェーやスペインなど、欧州でも続々と誕生している。日本の酒造好適米以外の原料を使った日本酒造りは、現地で栽培された米を使うなど、新たな可能性を切り開くことになる。IT業界から故郷に戻り6代目の蔵元に就任した土田社長は「酒造好適米を使ってこその日本酒という従来の先入観を取り払うことにもつながる」と語る。

 出来上がった日本酒は、しっかりとしたうまみとともに米の良さを感じる個性的な酒に仕上がった。土田社長は「目標とした香りを残すことはできなかったが、非常にうまい酒ができた」と話す。

前橋などで販売

 「研究醸造 Data14」は、精米歩合88%、アルコール度数は16度。720ミリリットルで、希望小売価格(税込み)は2970円。同社のオンラインストアか、前橋市の酒店「高橋与商店」などで販売している。

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