人種差別・性差別に歌で抗議 世界が注目する「リンダ・リンダズ」

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今年5月4日、ロサンゼルス公共図書館で行われた配信ライブで演奏する「リンダ・リンダズ」=ⒸMartin Wong
今年5月4日、ロサンゼルス公共図書館で行われた配信ライブで演奏する「リンダ・リンダズ」=ⒸMartin Wong

 米国で「反人種差別」「反性差別」を掲げて立ち上がったのは、どこにでもいる普通の少女4人だった。ロサンゼルスを拠点に活動するパンクバンド「The Linda Lindas(リンダ・リンダズ)」。米国ではいまだ黒人差別が根強いばかりか、コロナ禍でアジア系住民への暴力事件が相次ぐ。彼女らはオンラインでライブを配信し「人間のクズ!」「バカなヤツ!」などと激しい歌詞で抗議。インスタグラムで400万回再生されるなど、世界中から熱い視線を集めている。このほど、日本のメディアとしては初めて毎日新聞のインタビューに応じた。主張の背景にあったものとは――。(記事の最後にメンバーとのQ&Aが掲載されています)【伊藤遥/学芸部】

歌詞のメッセージ

 「こういった健全な方法で世の中にインパクトを与えることができて本当によかった。騒ぎになって死人が出るような方法じゃなくてね(笑い)」

 取材にこう答えたのはベラ(16)。ルシア(14)、エロイーズ(13)、ミラ(11)というメンバーの中で最年長だ。

 実は日本と少し関係がある。

 バンド名は、女子高生バンドの青春を描いた日本映画「リンダ リンダ リンダ」(2005年)と、作中で主人公たちが歌うザ・ブルーハーツの「リンダ リンダ」に由来する。「まず曲がシンプルに超かっこいい」(エロイーズ)。そして、ミラも「女の子たちが困難に立ち向かって突き進み続けていたのがかっこよかったし、それをできたのは楽しかったから。パッションがあれば何だってできるんだってことを教えてくれるのがあの映画」と語る。

 冒頭、ベラが言った“健全な方法”とは、5月4日に行われた配信ライブのこと。午後4時、ロスのとある図書館。そこから重いギターサウンドが響き渡り、ベースのエロイーズがこうシャウトした。

 <人種差別主義者で性差別主義者の少年よ

 あんたがやっていることは人種差別と性差別

 危険なおもちゃを手に 踊ると見せかけ 撃ち抜き 破壊する

 人種差別主義者で性差別主義者の少年よ>

 そしてドラムのミラがテンポを上げて続ける。

 <意地悪なことを言って 好みでない考えは受け入れず

 見たくないものから目を背けるのね>

 最後には、強…

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