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「使える治療薬」増やせ 政府のコロナ対策一刀両断、東京都医師会・尾崎治夫会長

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=前田梨里子撮影
=前田梨里子撮影

医療も経済も中途半端

 強い感染力を持つ変異株「デルタ株」が広がり、新型コロナウイルスの脅威はいや増すばかりである。全国の累計感染者数が150万人を突破し、8月以降は特に東京都内で新規感染者が急増、コロナ対策の「次の一手」も見えてこない。政府を相手に物申してきた東京都医師会のトップを直撃した。

 「前回特集ワイドのインタビューがあった昨年7月ごろから、政府が今のような事態になることを想定して動いていれば、こんなことにはなっていないよ。本来、最悪の事態を想定した上で対策を練るのが政府の仕事。なのに、自分たちがやりたい政策に合致した都合の良い予測だけを拾ってやってきたとしか思えない。それが今回の事態を招いたんだよ」

 開口一番、東京都医師会会長の尾崎治夫さん(69)は強い口調でそう話した。ちょびひげがトレードマークの尾崎さんは、昨年のコロナ感染拡大当初からテレビなどのメディアに登場するようになった。特集ワイドでも昨年7月に「今が踏ん張りどころ」という見出しの尾崎さんの記事を掲載した。

 あれから1年余。急速に変異株「デルタ株」の感染が広がり、8月以降、新規感染者が急増。都内では8月13日、過去最多の5773人にまで膨れ上がった。その後少し減り、9月以降も減少傾向が続いているが、「お盆期間中に多くの人が帰省などで東京を離れ、東京から人が減った影響が出ていると思われる。夏休みも終わりまた東京に人が増えているので、何も対策をしなければ、また急拡大してしまうと思う」と尾崎さん。事実、南米コロンビア由来の新たな変異株「ミュー株」の感染も確認されるなど、この先も予断を許さない。

 尾崎さんに改めて聞いてみた。そもそも8月以降に感染者が急増したのはなぜ? 「国はデルタ株の感染力の強さやワクチンの効果を読み違え、『感染者は増えても、ワクチン接種が進んでいるから重症者は増えない』という間違ったメッセージを発してしまった。感染者が急増するタイミングが東京オリンピック・パラリンピックの開催期間とも重なり、人出を減らす有効な政策を打てなかったことも大きい。要するに、『ワクチンさえ打てばいずれ感染は収まる』という希望的観測がもろくも崩れたということだね」

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