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まいにちボードゲーム

日本ではゲームといえばテレビやスマホがメインですが、近年、対面で行う非電源ゲームも注目を集めています。人気のボードゲーム・カードゲームを紹介します。

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「ブラフ」 ハッタリで生き残れ

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古典的なハッタリのゲーム「ブラフ」 拡大
古典的なハッタリのゲーム「ブラフ」

 「うそつきは泥棒の始まり」なんて言いますが、ゲームの世界では時にうそも方便。それどころかうそをつくことが必須のメカニクスが「ブラフ」です。ブラフとは英語のハッタリやこけおどしのこと。役がないのに強い役のように見せかけ、相手が降りるように仕向けるポーカーでは常とう手段ですね。ポーカーフェースで他のプレーヤーを翻弄(ほんろう)しましょう。

本当なの? ハッタリなの?

 ブラフゲームの代表作といえばその名も「ブラフ」。南米起源といわれるダイスゲームを、アメリカ人デザイナーが世に出しました。「ライアーダイス」や「ペルード」の名前でも知られます。

1人5個ずつサイコロを振り、自分の出目だけをこっそり確認。ハッタリを利かせながら他のプレーヤーを脱落に追い込んでいく 拡大
1人5個ずつサイコロを振り、自分の出目だけをこっそり確認。ハッタリを利かせながら他のプレーヤーを脱落に追い込んでいく

 各プレーヤーは最初、五つのサイコロを持ってスタート。カップに入れて振り、そっと自分の出目だけ確認します。スタートプレーヤーから、全員のサイコロを対象に「4の出目が4個」などと宣言。次のプレーヤーは、「4が5個」あるいは「5が4個」と出目か個数をつり上げて宣言しなくてはなりません。あるいは前プレーヤーの宣言はうそだとしてチャレンジすることもできます。

確率も大事だけれど

 手番プレーヤーがチャレンジすれば全員のカップをオープン。例えば「3の目が7個」と宣言したのに6個以下だった場合は、宣言したプレーヤーが実際の個数と宣言個数の差分だけサイコロを失い以後使用できなくなります。逆に宣言よりも実際の個数が多かった場合はチャレンジしたプレーヤーが差分のサイコロを失い、ぴったり同じだった場合は宣言したプレーヤー以外が1個ずつサイコロを失います。サイコロを全部失えば脱落。最後に残ったプレーヤーの勝利となります。

 サイコロはちょっと変わった仕様で、6面に1~5と「☆」が描かれています。☆の目はどの出目にでもカウントできるジョーカー。つまり5個のサイコロを振って1~5の各目が出る確率はそれぞれ3分の1となります(☆があるので)。例えば4人で遊んでいて1の目の総個数を推測する場合、、他のプレーヤーは計15個のサイコロを振っているので平均5個。それに自分のカップ内の1の目を足せば確率的には正解が出ます。しかしこのゲームではどんな数を宣言してもOK。むしろハッタリを利かせて相手を惑わせることが勝利につながるのです。

「スカル」で度胸だめし

「髑髏と薔薇」の名前でも知られる「スカル」。簡単なルールで深い心理戦が楽しめる 拡大
「髑髏と薔薇」の名前でも知られる「スカル」。簡単なルールで深い心理戦が楽しめる

 次はさらにシンプルな「スカル」。以前は暴走族をテーマとした「髑髏(どくろ)と薔薇(ばら)」という名前で販売されていましたが、新版では祖霊崇拝する部族のゲームというフレーバーに変わりました。ルールは同じです。

手札はたった4枚のディスク。1枚だけドクロが描かれている。ドクロを引かずに宣言枚数のディスクをめくれるか度胸が試される 拡大
手札はたった4枚のディスク。1枚だけドクロが描かれている。ドクロを引かずに宣言枚数のディスクをめくれるか度胸が試される

 各自4枚のディスクを手札として持っています。裏面は部族の紋章が描かれていますが、表面は3枚が花、1枚がドクロです。まずは四角い自分のプレーマットに裏向きでディスクを1枚配置。スタートプレーヤーから順に、①ディスクを1枚追加する②ディスクを置けないあるいは置きたくない場合チャレンジ――の2択から選びます。

 チャレンジしたプレーヤーは「4枚めくる」などと宣言。時計回りに次のプレーヤーから「じゃあ5枚めくる」とより多い数を宣言するか、パスしてこのラウンドを降りるかを選択します。最終的に一番多い数を宣言したプレーヤーがチャレンジャーとなり、宣言数分めくる前にドクロが出たら失敗。自分のディスクをランダムに1枚失うことになります。チャレンジを2回成功させるか、他のプレーヤーのディスクがなくなって全員脱落すれば勝利。自分のマットにドクロを仕込んだ上に高めの数から宣言スタートさせるなどハッタリと度胸が試されます。できるだけ人数が多い方が盛り上がりますね。

装備なんかいらねえ! 「ダンジョンオブマンダムエイト」

財宝目当ての冒険者がモンスターのいる地下迷宮に挑戦する「ダンジョンオブマンダムエイト」 拡大
財宝目当ての冒険者がモンスターのいる地下迷宮に挑戦する「ダンジョンオブマンダムエイト」

 ダンジョン(地下迷宮)があれば冒険したくなるのが人の常?

 酒場で盛り上がれば気が大きくなるのも冒険者の性(さが)? 「ダンジョンオブマンダムエイト」は、酔って気が大きくなった冒険者たちのチキンレースゲームです。

 まずは8種類の職業(騎士、魔術師、盗賊、戦士、プリンセス、忍者、死霊術師、吟遊詩人)の中から今回の冒険者を選びます。各職業には6枚の装備チップが付属しており、騎士であればプレートメイル▽ヴォーパルソード▽ナイトシールド▽たいまつ▽聖杯▽ドラゴンランス。手番プレーヤーは、財宝が眠るダンジョンに1枚ずつモンスターカードを裏向きで配置するか、モンスターを配置せずに装備チップを1枚除去するか。

手番プレーヤーはダンジョンにモンスターカードを配置するか、装備を一つ取り除くか。時には勇気ある撤退も必要だ 拡大
手番プレーヤーはダンジョンにモンスターカードを配置するか、装備を一つ取り除くか。時には勇気ある撤退も必要だ

 「俺ほどの冒険者ともなれば、たいまつなんかなくても大丈夫」「私なら一撃でドラゴンを殺せるドラゴンランスなしでも平気」

 どんなモンスターがダンジョンに待ち構えているかは自分の手番分しか分かりません。これは無理かもと思ったらダンジョンへの挑戦をパスすることもできます。

 1人以外全員がパスすれば挑戦開始。強いモンスターを配置し、さんざんあおっておいて「じゃあ後はよろしく」。挑戦に2回成功すれば勝利なのですが、盾も剣もなく徒手空拳でダンジョンに放り込まれることも。まるでダチョウ倶楽部のコントのようですね。

手軽にブラフ「スパイシー」

手軽なブラフカードゲーム「スパイシー」 拡大
手軽なブラフカードゲーム「スパイシー」

 キンキラキンの箱絵が特徴の「スパイシー」は、ハンガリー人デザイナーによる手軽なブラフゲーム。トランプの「ダウト」に戦略性を持たせたと言えば分かりやすいでしょうか。テーマは猫たちによる激辛スパイス大食い対決。大して辛くないものを食べたのに、泣くほど辛いよとうそをついて心の中で舌を出す。雰囲気たっぷりのカードゲームです。

カードを1枚裏向きに出して色と数字を宣言。誰かにうそが見破られると相手の点数になる上、残ると減点になる山札を2枚引くことになる 拡大
カードを1枚裏向きに出して色と数字を宣言。誰かにうそが見破られると相手の点数になる上、残ると減点になる山札を2枚引くことになる

 カードの種類は赤い「チリ」、緑の「ワサビ」、青い「コショウ」の3種類。それぞれ1~10の辛さのカードが3枚ずつあります。このほかにスパイスワイルドカードや数字ワイルドカードも。最初に配られた手札6枚の中から、裏向きに1枚カードを場に出し、スパイスの種類と1~3の数字を宣言。次のプレーヤーは場のカードに1枚重ねて出して前のプレーヤーと同じ種類のより大きな数を宣言するか、パスして山札から1枚手札に加えます。手札はゲーム終了時に減点となるのでできれば増やしたくないところ。

 宣言がうそだと思えば自分の手番でなくても「チャレンジ」できます。カードの種類か数字かどちらがうそかを指摘して場の一番上のカードをオープン。指摘が当たれば場のカードをもらって得点し、間違っていれば山札からカードを2枚引く仕組み。どこかで必ずうそをつく場面が出てくるので、場にカードが少なくて得点のうまみが少ない序盤にうそをつく▽序盤にいきなり数字の大きなカードを出して場をかき回す▽「あーそのカード出されると困るなあ」と言いながら正しいカードを出してチャレンジを失敗させる――など濃密な駆け引きが楽しめます。

 普段生活していて積極的に人をだます場面は善男善女ならほぼないはず。ゲームの中で思いっきりブラフをかけてみましょう。【野地哲郎】=次回は9月25日掲載

「ブラフ」データ

 2~6人用◆所要時間30分◆12歳以上対象◆リチャード・ボーグ作◆1987年初版

  ◇「スカル(髑髏と薔薇)」データ

 3~6人用◆所要時間15~45分◆10歳以上対象◆エルヴェ・マルリー作◆2011年初版

「ダンジョンオブマンダムエイト」データ

 2~4人用◆所要時間30分◆10歳以上対象◆アントワーヌ・ボウザ、上杉真人作◆2017年初版

◇「スパイシー」データ

 2~6人用◆所要時間15分◆10歳以上対象◆ジュリ・ゾルタン・ガボル作◆2020年初版

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