連載

詩歌の森へ

文芸ジャーナリスト・酒井佐忠さんの「詩」に関するコラム。

連載一覧

詩歌の森へ

過ぎゆく言語を記憶する=酒井佐忠

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
岸上大作の没後60年展を訪れた福島泰樹さん=姫路文学館で2020年12月4日、花牟礼紀仁撮影
岸上大作の没後60年展を訪れた福島泰樹さん=姫路文学館で2020年12月4日、花牟礼紀仁撮影

 東京・吉祥寺で短歌絶叫コンサートをつづける歌人、福島泰樹の歌集『天河(あまのがわ)庭園の夜』(皓星社)が出た。福島は1943年3月、東京は下谷の生まれ。早大文学部で西洋哲学を学び、早稲田短歌会に入会。文字通り戦後を同時代的に体験しつつ現代短歌の最前線で活躍している。

    ■  ■

 実に33冊目となる歌集は、昨年7月に亡くなった代表的歌人、岡井隆を「追懐」する一巻。岡井の中期歌集『天河庭園集』の誕生に、まだ若かった福島が深くかかわっていたことや、ともに同人誌の発刊を試みたことなどが歌われる。いずれも60年安保闘争後から70年代にかけての激しい社会変化のただ中で、あるべき短歌を模索する姿が再現される。40代だった岡井が「一切の現世の地位と仕事からおさらばする」有名な失踪事件の前後のことだ。

・歳月は蜜であったろ厳 かな罰であったよ 雲 ながれゆく

この記事は有料記事です。

残り866文字(全文1243文字)

あわせて読みたい

マイページでフォローする

この記事の特集・連載
すべて見る

ニュース特集