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アフガン政権崩壊

イスラム主義組織タリバンが2021年8月15日、首都カブールを制圧し、勝利宣言。ガニ政権が崩壊しました。

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人が落ちていく絶望の残像 アフガンで軍務の退役軍人、芽生えた希望

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テロリストにハイジャックされた航空機が激突し、煙を上げる世界貿易センタービル=ニューヨークで2001年9月11日、AP
テロリストにハイジャックされた航空機が激突し、煙を上げる世界貿易センタービル=ニューヨークで2001年9月11日、AP

 生きる希望なく高い場所から人が落ちていく――。20年に及んだアフガニスタン戦争を思い返す時、退役米軍人のロバート・クートゥアさん(46)の脳裏に刻まれた二つの似たような恐怖の残像がよみがえる。アフガンでの2度の軍務を全うしたクートゥアさんは「対テロ戦争」の大義を信じつつも、苦い思いを抱えている。そんなクートゥアさんを支えているのは、アフガンの人々と接して心に残った、ある希望だ。

 今年8月、イスラム主義組織タリバンに制圧されたアフガンの首都カブールでは、国外に逃れようとする人々が空港に殺到した。発進するC17輸送機にしがみつき、離陸後に落下した人の映像がインターネット上に流れた。

 「なぜ、あの『恐怖』が再び起きたのか」。クートゥアさんが思い出したのは、戦争のきっかけとなった2001年9月11日の米同時多発テロで、標的となった世界貿易センタービルの高層階から落ちていく被害者の姿だった。当時、報じられた写真を見て絶望的な気持ちになったことを思い出した。「恐怖に始まり、恐怖に終わった戦争」。この20年をそう振り返る。

 07~10年に2度、合わせて2年半にわたりアフガンに駐留した。陸軍の広報担当者として部隊の活動を伝えるため、前線の部隊と行動を共にする…

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