戦争の実相描いた「ペリリュー」 漫画家・武田一義さん

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 <文化の森 Bunka no mori>

 太平洋戦争の開戦から80年、敗戦から76年が過ぎた。最前線での戦闘体験者の話を聞くのは難しくなっている。そうした中で、メディアは戦争の実相を描くことができるのか。漫画家、武田一義さん(46)の仕事はヒントになりそうだ。

 武田さんは、自身の闘病記をつづった「さよならタマちゃん」や、「おやこっこ」などでキャリアを重ねてきた。いずれも、戦争とは関係がない。しかし「戦争はずっと興味のある題材でした。でもハードルが高かった。70年以上前のことなので今の僕たちは知らない。それを実感できて作品に落とし込むことができるのか」と思っていた。2015年、白泉社が「戦後70周年」のムック本を出すに当たり、読み切りの作品を依頼された。そこで選んだのがペリリュー島(パラオ共和国)の戦いだった。

 頼りになる監修者が見つかった。平塚柾緒(まさお)さん(84)だ。ペリリューの生還者34人のうち30人近くに取材した、戦史研究の第一人者。「何十年も取材してきた財産を共有してくださる。それがあってはじめて戦争の物語を描けるのでは、と思いました」。翌16年2月、同社の『ヤングアニマル』で「ペリリュー 楽園のゲルニカ」の連載を始めた。

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