北朝鮮巡航ミサイル、日本全土が射程圏内に 日米韓に新たな危機

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11日と12日に北朝鮮の国防科学院が行った新型長距離巡航ミサイルの発射実験=朝鮮中央通信・朝鮮通信
11日と12日に北朝鮮の国防科学院が行った新型長距離巡航ミサイルの発射実験=朝鮮中央通信・朝鮮通信

 北朝鮮が11、12日に試験発射した長距離巡航ミサイルは、日本のほぼ全土が射程に入る1500キロを飛行した模様だ。事実なら、米国がアフガニスタン情勢などに追われる中、ミサイルの多角化で揺さぶりをかけた格好だ。日米韓情報当局は13日、低空飛行で探知が難しい巡航ミサイルの情報収集に追われており、新たな危機に直面している。

米との全面対決回避 制裁免れる挑発

 「9月11日と12日、新たに開発した新型長距離巡航ミサイルの発射実験を実施し、成功した」。国内向けの公式報道である朝鮮労働党の機関紙「労働新聞」は13日、2面トップで発射を報じた。現地にいなかった金正恩(キムジョンウン)総書記の写真は掲載されていない。巡航ミサイルは弾道ミサイルとは異なり、国連の安保理決議違反にはならない。一連の動きからは、挑発行為に踏み切りながらも、米国と全面対決にならないようにレベルを抑制しようとする北朝鮮の姿勢がうかがえる。

 8月に北朝鮮が中止を求めていた米韓合同軍事演習が実施されたことを受け、北朝鮮が挑発行動に出るのは予想されていた。3月にも同演習終了後に短距離弾道ミサイルを発射したからだ。実際、金総書記の妹、金与正(キムヨジョン)党副部長は8月10日、「必ず代価を支払うことになる自滅的な行動だ」と挑発行為をほのめかす談話を発表していた。

 今回の巡航ミサイル発射は、2001年9月の米同時多発テロから11日で20年が過ぎた直後でのタイミングだった。米国はアフガニスタンからの駐留米軍の撤収だけでなく、イラン核合意の再建などが緊急課題であると、北朝鮮は認識しているとみられる。北朝鮮との本格的な交渉より「管理モード」で対応しようとする米国の姿勢を逆手に取る形で、…

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