ただ一人「奈良のシカのお医者さん」 命がけで向き合い、治療

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国の天然記念物「奈良のシカ」=奈良市の奈良公園で、久保聡撮影
国の天然記念物「奈良のシカ」=奈良市の奈良公園で、久保聡撮影

 奈良公園(奈良市)のシンボルとなっている国の天然記念物「奈良のシカ」。園内と鹿の保護施設「鹿苑(ろくえん)」に計約1400頭いるとされる鹿を守るため、唯一の専任獣医師として治療に携わるのが、「奈良の鹿愛護会」(同)の丸子理恵さん(53)だ。犬や猫と違って治療マニュアルが存在しない中、鹿の生態と向き合いながら、最適な治療法を模索・確立してきた。【加藤佑輔】

 9月上旬、愛護会内の治療室で、丸子さんが1頭の鹿の診察に当たっていた。交通事故で左右の前脚を骨折し、治療中の鹿だ。全身麻酔の注射を打ち、麻酔が切れるまでの約1時間の間に、骨の状態の経過観察や包帯の交換などを行った。処置が終わると、鹿は愛護会の男性職員2人が持つ担架に乗せられ、鹿苑に運ばれていった。

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