清原氏長男、慶応デビューの舞台裏 幼なじみと歩む異例の野球道
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恵まれた体格、バットを構える肘や肩の角度は、父親を思い起こさせる。プロ野球で活躍した清原和博さん(54)の長男、清原正吾(しょうご、19歳)が慶大野球部で新人戦にデビューした。その姿をベンチから見つめた幼なじみが誓った。「今度は2人で慶応を引っ張るんだ。あの頃のように」――。異なる競技から野球に転向した清原と時を同じくして、もう一つの物語も動き出した。
6年のブランク越えて…2人の転機
6月2日、東京・神宮球場。東京六大学野球リーグの新人戦・春季フレッシュトーナメントの東大戦で、慶大1年の清原は七回、代打で右打席に入った。身長186センチ、体重90キロの堂々とした体格。右飛に倒れたが、大学でのデビュー戦に場内からは1球ごとに拍手が起きた。その姿をベンチから見つめた同期の福住勇志(ふくずみ・ゆうじ、18歳)は、高校3年の時に清原に言われ、驚かされた言葉をかみしめていた。
「大学では野球をやろうと思っている」
2人は慶応幼稚舎(小学校)時代からの幼なじみ。少年野球チーム「オール麻布」では小学6年まで一緒にプレーし、清原が二塁手、福住が遊撃手として二遊間でコンビを組み、主力としてチームを引っ張った。中学で慶応普通部に進んだ清原は友人の紹介でバレーボール部に所属することを選んだ。慶応高ではアメリカンフットボール部に入り、タイトエンド(TE)のポジションで長身を生かして活躍した。一方、福住は慶応中等部を経て高校は清原と同じ慶応高に進み、野球を続けた。中学以降、2人の間で野球の話はかわさなくなったが「兄弟よりも一緒にいた」と福住は振り返る。清原から野球に再挑戦すると聞かされた時、「最初はふざけて言っていると思った」というが、本気だと分かると「なぜか、めちゃくちゃうれしかった。僕の中ではすごく大きな存在なので」と喜んだ。
6年ものブランクがある野球に清原を再び向かわせたのは、…
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