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ヤングケアラー

通学や仕事をしながら家族の介護をする子ども「ヤングケアラー」。将来が左右される深刻なケースも。

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ヤングケアラー取り上げた漫画原作者らからヒアリング 政府PT

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ヤングケアラー支援に向けた、政府のプロジェクトチームの5回目の会合=東京都千代田区の厚生労働省で2021年9月14日午後3時、三上健太郎撮影 拡大
ヤングケアラー支援に向けた、政府のプロジェクトチームの5回目の会合=東京都千代田区の厚生労働省で2021年9月14日午後3時、三上健太郎撮影

 政府は14日、家族の介護・世話に追われる子ども「ヤングケアラー」の支援に向けたプロジェクトチーム(PT)の会合を4カ月ぶりに開いた。厚生労働省と文部科学省が来年度予算の概算要求に盛り込んだ支援策などを確認したほか、ヤングケアラーをテーマの一つとして取り上げた医療漫画の作者からヒアリングを行った。

 ヒアリングに招かれたのは「リエゾン―こどものこころ診療所―」(講談社)の原作者の竹村優作氏と漫画家のヨンチャン氏。この漫画は児童精神科医が主人公で、雑誌「モーニング」で連載が続いている。ヤングケアラーを取り上げた連載回では、体が不自由な母の介護や家事で疲弊していく小学6年の女児と、彼女を支えようとするスクールカウンセラーらの姿を描いた。

 ヒアリングで竹村氏は、漫画に込めた思いを「当事者の子どもたちにSOSを出してもいい、と伝えたかった」と説明。ただ、「子どもが家事をするのは当たり前」という反響もあったという。竹村氏は「SOSを受け止める大人側にもヤングケアラーについての周知は大切」と指摘した。また、「ヤングケアラーが担ってきた役割を否定しないこと」を心がけたといい、「(当事者が)漫画を読んで体験を振り返ったり、自分の過去を肯定したりするきっかけになってほしい」と話した。

 ヨンチャン氏は「ケアする方に重点を置いて描くと、障害を抱えた人が思わしくない形でとらえられてしまうのではないか」という心配があり、ケアされる側の思いも漫画に反映させることを意識したという。「(作品で描いたような)状況に置かれた家族が僕たちのまわりにいるかもしれない。彼らの悩み、悲しみ、怒り、希望などをともに感じてほしい」と話した。

 PTには教育、福祉、医療などに関わる両省の複数の部署が参加している。会合では支援策の進捗(しんちょく)状況について各部署が説明し、情報を共有した。

 厚労省は、支援団体や行政の相談窓口の情報を同省のホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/young-carer.html)にまとめたことや、来年度の診療報酬改定に向けた議論にヤングケアラー支援も含まれていることなどを報告した。また、昨年度の実態調査は中学生と高校生が対象だったが、今年度は小学生と大学生を対象に調査すると説明した。文科省は、スクールソーシャルワーカーの配置拡充や研修の重要性の周知などについて報告した。

 山本博司副厚労相は「(支援を)一時的なものに終わらせてはいけない。これからも両省が一丸となって対策を進める」と話し、丹羽秀樹副文科相は「社会全体で子どもたちが笑顔で過ごせるような世の中をつくっていきたい」と話した。【三上健太郎、山田奈緒/デジタル報道センター】

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