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アフガン政権崩壊

イスラム主義組織タリバンが2021年8月15日、首都カブールを制圧し、勝利宣言。ガニ政権が崩壊しました。

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タリバン暫定政権との距離、関係各国が腐心 カブール制圧1カ月

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タリバンの兵士たち=アフガニスタンで2021年9月8日、AP
タリバンの兵士たち=アフガニスタンで2021年9月8日、AP

 アフガニスタンでイスラム主義組織タリバンが首都カブールを制圧して15日で1カ月となる。タリバンは7日に主要閣僚らを発表。暫定政権を発足させたが「恐怖政治」の再来やテロ組織との関係など、懸念は多い。タリバンと友好関係を維持する中国なども含め、各国とも暫定政権との距離の取り方に腐心している。

中国、暫定政権発足を歓迎

 アフガニスタンでタリバンとの良好な関係を背景に存在感を増しているのが中国だ。タリバンの暫定政権発足について中国外務省副報道局長は8日、政権承認については明言を避けたものの「アフガンの『無政府状態』が終結した。国内秩序の回復と復興に必要な第一歩だ」と、歓迎した。

 その同じ日、中国はパキスタンやイランなどアフガン周辺5カ国とオンラインの外相協議を開催。王毅国務委員兼外相が「近隣諸国はアフガンを安定的に再建するため良好な外部環境を提供すべきだ」と呼びかけた。また、各国が首都カブールの大使館を閉鎖する中、中国は大使館を維持し王愚(おうぐ)駐アフガン大使がタリバン幹部との接触を重ねている。

 タリバン側も中国の支援を期待しており、2日に呉江浩外務次官補と電話協議したハナフィー幹部(現・暫定第2副首相)は、中国が巨大経済圏構想「一帯一路」の主要事業として進める「中国パキスタン経済回廊」(CPEC)のアフガンへの拡大を求めた。

 CPECは2015年から中パで推進。中国新疆ウイグル自治区からパキスタン南西部バルチスタン州のアラビア海に面したグワダル港までを結ぶ道路・鉄道網の整備、電力事業や経済特区の設置などが主要な柱だ。

 中国がタリバンとの関係に注意を払うのは、アフガンが混乱すれば国境を接する新疆ウイグル自治区にもテロが波及しかねないとみるからだ。タリバンにはウイグル独立派組織「東トルキスタン・イスラム運動」などを支援しないようくぎを刺している。また、アフガン情勢が不安定化すれば、CPECの事業にも悪影響が出かねないとみているようだ。

 ただ、中国は米国に代わってアフガンに深く関わることに慎重だ。アフガンは「帝国の墓場」と…

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