池袋暴走、被告へのSNS中傷で量刑軽くなった可能性 遺族の心中は

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妻真菜さんと娘莉子ちゃんの遺影とともに記者会見する松永拓也さん=東京・霞が関の司法記者クラブで2021年9月2日午後4時46分、小川昌宏撮影
妻真菜さんと娘莉子ちゃんの遺影とともに記者会見する松永拓也さん=東京・霞が関の司法記者クラブで2021年9月2日午後4時46分、小川昌宏撮影

 東京・池袋で2019年4月に11人が死傷した乗用車暴走事故をめぐり、東京地裁で禁錮5年の判決を受けた被告には、SNS(ネット交流サービス)上などで誹謗(ひぼう)中傷が続いている。妻子を失った松永拓也さん(35)はこうした対応に心を痛めている。

 判決から3日後の今月5日、松永さんら被害者遺族と学生ら約50人が参加し、交通事故撲滅について考えるオンラインイベント「天羽(あまね)プロジェクト」が開かれた。事故撲滅などの方策を若者が自ら考えて羽ばたいてもらいたいという思いから名付けられて今年3月に始まり、今回で3回目。その中で一人の男子大学生が問いかけた。「第三者が被告に攻撃的な発言をし、私刑、ネットリンチの状況になっていることをどう見ていますか」

 ツイッター上には今も、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)に問われた旧通産省工業技術院元院長の飯塚幸三被告(90)を中傷する言葉があふれている。「上級国民爺(じい)さんは消えろ」「お前が普通に飯食ってるって考えるだけで吐き気がする」。ユーチューブには、被告の自宅前で「人の命を奪って何をやっているんだ」などと男性が大声で叫ぶ動画も投稿された。被告の弁護人は1審の最終弁論で「ソーシャルメディアの投稿はネット上に拡散してデジタル空間上に残り続け、苛烈な社会的制裁とも言える」と強く主張した。

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