桜井昌司さん「冤罪、身近に想像して」 布川事件、賠償命令確定

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷
記者会見に臨んだ桜井昌司さん(左)と谷萩陽一弁護士=東京都千代田区で2021年9月13日、森永亨撮影 拡大
記者会見に臨んだ桜井昌司さん(左)と谷萩陽一弁護士=東京都千代田区で2021年9月13日、森永亨撮影

 「本当に人様に恵まれた」。「布川事件」で再審無罪が確定した桜井昌司さん(74)が国と茨城県を相手に賠償を求めた訴訟の控訴審判決確定を受けて、桜井さんは13日の会見で目を潤ませた。桜井さんは「冤罪(えんざい)を自分のこととして想像してほしい」と、あらためて強く訴えた。【森永亨】

 国と県は期日の10日までに上告せず、検察と警察による自白の強要を認めた判決は確定した。

 桜井さんは会見で、「人生の大半は布川事件を背負って生きていた。正直ほっとしている」と笑顔。1967年の事件発生以降を振り返り、「支援者や弁護士、ほとんど取材が来ない土浦の裁判所に通ってくれた記者などから、力を貸してもらえた」と感慨深げだった。

 県警は13日、「今回の判決の結果を真摯(しんし)に受け止め、適正な捜査を推進する」とするコメントを発表したが、桜井さんは「謝罪の言葉は聞いていない」と指摘。「警察と検察は、自分が全て正しいと思っている。間違いを犯した警察官が責任を取る法律を作りたい」と語気を強めた。

 1審の東京地裁判決では警察の取り調べや、証拠開示を拒んだ検察官の対応を違法と認定。控訴審判決では、検察の捜査の違法性も認め、自白の強要がなければ有罪判決はなかったと指摘した。弁護団長の谷萩陽一弁護士は「冤罪が平穏な人生を奪う罪深いものであるとあらためて突きつけている。国と県は今度こそ真摯(しんし)に謝罪すべきだ」と批判。桜井さんは「社会が考えている何倍も冤罪があると伝えていきたい」と話した。

 水戸地検の石井壮治・次席検事は同日「引き続き、適正な捜査・公判の遂行に努めたい」とコメントした。

あわせて読みたい

注目の特集