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やまと・民俗への招待

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やまと・民俗への招待

異世界へ導く奴行列 /奈良

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 生駒市乙田(おとだ)(現萩の台)で、昔盛んだったジョロリ(浄瑠璃)やシバイ(歌舞伎芝居)の用具を調べたことがある。庶民の芝居への憧れが伝わる貴重な用具群だった。地元の人々と市教育委員会が台帳を作って整理し、市の文化財になり、さらに2007年には県指定有形民俗文化財になった。この芸能資料以外にも毛槍(やり)や挟み箱、着物・法被など奴(やっこ)行列の用具もあった。葬式時に使ったというが、1932(昭和7)年が最後というだけで、詳細は不明だった。

 十三塚の調査で訪れた平群町教委の村社(むらこそ)仁史さん(当時)にこの話をすると、77(昭和52)年に同町椿井(つばい)の集落で葬式時に奴行列があったという。その時の8ミリ映像もあるというので、見せてもらった。鉦(かね)を先頭に、裃(かみしも)姿で竹杖(つえ)を持った先触れ、天得(てんとく)如来(融通念仏宗の本尊)の掛軸を持つ人、楽人、僧侶に続いて、奴行列の一団が従っている。菅笠に羽織を着た世話…

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