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医療的ケア児の新法 社会で支えるきっかけに

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 日々の生活で、人工呼吸器や胃ろうなどの医療的ケアを必要とする子どもを支援する新法が施行される。

 全国どこでも適切なサポートが受けられる体制作りを目指す。当面の課題は、保護者が付き添わなくても学校や保育所に通えるようにすることだ。

 厚生労働省の推計では、在宅生活を送る19歳以下の当事者は約2万人に上り、増加傾向にある。

 人工呼吸器をつけている人はたんの吸引が欠かせず、胃ろうの人は流動食の摂取に手助けが必要だ。家族以外で対応できる人は限られる。

 小中学校では保護者が付き添いを求められる場合が多く、家庭にとって大きな負担となっている。受け入れる保育所がない地域も少なくない。

 新法では、こうした医療的ケア児が通う学校や保育所などに看護師らを配置することが定められた。研修を受ければ教員や保育士などでも対応することができる。政府や自治体は人材の育成を急がなければならない。

 ケアが負担となって家族が離職を強いられるような事態を防ぐことも、新法の目的に掲げられた。

 仕事を続けるためには放課後に利用できるデイサービスが重要だが、対応できる施設が足りない。

 受け入れ人数が限られているため、週に数日しか通えない例もあるという。スタッフを増員できるよう事業者への支援が必要だ。スクールバスなど通学手段の確保にも取り組んでほしい。

 地元でどのような援助を受けられるのか、調べることさえ家族は苦労してきたという。新法には、都道府県が家族の相談に応じる支援センターを設置することも盛り込まれている。医療や教育、福祉などの関係機関は連携を強めてほしい。

 耳が聞こえない障害のある医療的ケア児が、関係者の協力でろう学校に進学することができた例もある。手話を学んで自分の気持ちを表すことができるようになったという。

 当事者のニーズは多様だ。子どもの成長の機会や家族の生活が損なわれることがないよう、政府や自治体はきめ細かな支援策を講じていくべきである。

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