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2021自民党総裁選

岸田文雄首相による新内閣が発足しました。内閣について考察した記事や各国の反応をまとめています。

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「自助優先」批判は無意味 菅政権の1年 竹中平蔵氏に聞く

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インタビューに答える慶応大名誉教授でパソナグループ会長の竹中平蔵氏=東京都千代田区で2021年9月8日、竹内紀臣撮影
インタビューに答える慶応大名誉教授でパソナグループ会長の竹中平蔵氏=東京都千代田区で2021年9月8日、竹内紀臣撮影

 自民党総裁選への不出馬を表明し、退陣する菅義偉首相は、1年前の総裁選などで「目指すべき社会像」として「自助、共助、公助、そして絆」と掲げた。以来、「自助」は菅政権を表す一つのキーワードとして、コロナ禍のこの1年、さまざまな場面で注目された。菅首相のブレーンと言われる竹中平蔵・慶応大名誉教授(パソナグループ会長)は、こうした流れをどのように見ていたのだろうか。首相退陣を前に、率直に聞いた。【塩田彩/デジタル報道センター】

「自助、共助、公助」は三位一体

 ――菅首相が約1年前の自民党総裁選などで「自助、共助、公助、そして絆」「まずは自分でやってみる」と述べたことに対し、「自助を優先するのか」などと批判が高まりました。

 ◆「自助、共助、公助」というのは、何年も前から社会保障の決まり文句として使われてきた言葉です。この順番を入れ替えた言葉は聞いたことがないでしょう。だから、「自助、共助、公助」のうち何が最初に来たかを議論することはまったく意味がないと思います。言葉としてそういう語呂だというだけのことです。

 重要なのは、「自助、共助、公助」は三位一体ということです。公助をしようと思ったら、自助できる人が税金を納めていなければならない。だから自助は自助で重要だし、公助は公助で重要です。これは(2001~06年に経済財政担当相などとして仕えた)小泉純一郎元首相がよく言っていたのですが、「自らを助けることができる人がたくさんいればいるほど、本当に助けを必要としている人に助けを与えることができる」ということです。…

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【2021自民党総裁選】

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