連載

安倍・菅政権考

安倍晋三政権と、その路線を引き継いだ菅義偉政権。およそ9年に及んだ両政権は何をもたらしたのか。その功罪を考える。

連載一覧

安倍・菅政権考

河野龍太郎氏に聞く 日本の成長力を低下させたアベノミクスの「罪」

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷
BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミスト=東京都千代田区で2017年4月25日、宮武祐希撮影
BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミスト=東京都千代田区で2017年4月25日、宮武祐希撮影

 安倍晋三前政権が掲げ、菅義偉政権にも引き継がれた「アベノミクス」。機動的な財政出動、大規模な金融緩和を旗印に9年近く続いた経済政策は、菅首相の退任でいったん区切りを迎える。アベノミクスは日本経済に何を残したのか。次期政権が取り組むべき課題は何か。BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストに聞いた。【聞き手・松岡大地/経済部】

過度な景気刺激策の弊害

 ――菅政権も引き継いだアベノミクスを、どう評価しますか。

 ◆功罪あると思います。戦後最長の「いざなみ景気」(2002~08年)には及びませんでしたが、景気回復を続けるという目的は達しました。一番の成果は、完全失業率が3%を大きく下回り、働く意思と能力のある人がほぼ働いている「完全雇用」の状態を達成したことです。

 菅政権は独自の政策も掲げました。50年の温室効果ガス排出実質ゼロ、デジタル庁創設、携帯電話料金の引き下げなど、1年で重量級の政策を決めました。トップダウンの手法がうまくいったと言えます。

 ――功罪の「罪」は何でしょうか。

 ◆完全雇用を達成した後は、経済の実力を示す潜在成長率や生産性を高めるべきなのに、…

この記事は有料記事です。

残り1423文字(全文1909文字)

あわせて読みたい

この記事の特集・連載
すべて見る
この記事の筆者
すべて見る

注目の特集