タイ若手技術者 インターン事業で活躍 北九州市が取り組み

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インターンを経て「ICS SAKABE」技術部で働くポンソウトーンさん=北九州市小倉北区で、青木絵美撮影 拡大
インターンを経て「ICS SAKABE」技術部で働くポンソウトーンさん=北九州市小倉北区で、青木絵美撮影

 ロボット関連事業を手がける北九州市の中小企業で、タイ出身の若手技術者が活躍している。市がタイの大学生を受け入れるインターンシップ(職場体験)に取り組み、参加学生の8割超が就職。人材不足に悩んでいた企業側が、彼らと海外へのビジネス展開を描く契機にもなっている。【青木絵美】

 「今は制御盤の組み立てや、電気システムの配線作業をしています。勉強してロボットのプログラム作りもしたいです」。産業ロボット導入を支援する電気設備会社「ICS SAKABE」(小倉北区)の技術部で働くポンソウトーン・ワサラックさん(22)が丁寧な日本語で話した。タイのパンヤピワット経営大(PIM)工学部の学生だった2019年秋から4カ月のインターンを経験。新型コロナウイルスの影響で遅れたが、21年1月に正式採用となった。

 北九州市は18年度から毎年、技術人材の育成と産業振興を目的に、PIM工学部の学生5、6人程度を中小企業で受け入れ、同世代の北九州高専(小倉南区)の学生との実習機会も提供するインターンシップに取り組んできた。

 背景には、国内の若いエンジニア人材を大手に比べて確保しづらい中小企業共通の課題がある。「ICS SAKABE」も従業員27人でメーカーの生産ラインを支えるが、坂部好則社長(50)は「高齢スタッフが辞めると事業継続が難しい」。海外の有能な人材に出会う術もない中、市が後押しするインターンに手を挙げた。

 市によると、この3年で13社にインターン生16人が就職した。ポンソウトーンさんら男女3人を受け入れる坂部さんは「確かなスキルとハングリー精神がある」と感心する。

 ポンソウトーンさんは将来、ロボット産業やデジタル産業の発展が急務のタイに戻って同社の技術を生かしたい考えだ。坂部さんも「彼らと一緒にできれば追い風になる」と海外初進出へ相乗効果も期待している。

 市とPIM、北九州高専は7月、インターン事業を21年度から3年間も継続する覚書を交わした。11月には4期目のインターン生男女8人を4社で受け入れる予定で、高専の本江(ほんごう)哲行校長は「PIMや市と協力し、世界に貢献する人材育成をしたい」と話した。

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