問われるのは安倍・菅政治の8年9カ月 東大名誉教授の御厨貴さん
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菅義偉首相は退陣理由について説明した記者会見で「新型コロナウイルスとの闘いに明け暮れた日々だった」と、この1年を振り返った。政府のコロナ対応、安倍・菅政権の8年9カ月、そして自民党総裁選とその後に控える衆院選をどう考えるのか。東大名誉教授で政治学者の御厨貴さん(70)に聞いた。【聞き手・関谷俊介】
――政府の新型コロナウイルスへの対応をどうみるか。
◆政府の危機への対応として、これまでは自然災害を相手とすることが多かった。近年では阪神大震災、東日本大震災、熊本地震、その後もさまざまな災害が続き、それが「平成の危機」と言われるものだった。そうした災害への対応については、政治が復興に向けてどうやって動いていけばいいのか経験からわかってきた。ところが、コロナはまったく様相を異にしていた。自然災害からの復興はたくさんの人と人との出会いの中でつくり上げていくものだが、コロナについては人と人が出会ってはいけないところがまず違う。政治の課題としては非常に難しかった。安倍さん(安倍晋三前首相)も昨年、相当困難な問題にぶち当たったと思ったことだろう。安倍さんは全世帯にマスクを配ることはしたが、これといって何をしたかと聞かれても見当たらない。代わりにやってきたのが、官房長官だった菅さんだった。というのも、安倍政権の7年8カ月に菅さんを通さなければ課題を解決できない仕組みを構築したからだ。だが、菅さんは未知の問題を解決することが苦手だから本当はやりたくなかったと思う。
――菅首相が1年間で退陣することになった要因は?
◆菅さんの一番の問題点は、…
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