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都市対抗野球2次予選2021

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千本ノックに込めた思い ENEOS大久保秀昭監督の育成手腕

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2019年12月に6年ぶりに古巣に復帰し、低迷脱却を任された大久保秀昭監督=川崎市中原区で2020年4月1日、尾籠章裕撮影
2019年12月に6年ぶりに古巣に復帰し、低迷脱却を任された大久保秀昭監督=川崎市中原区で2020年4月1日、尾籠章裕撮影

 「千本ノック」にはチーム再建への思いが込められていた。社会人の都市対抗野球で11回の優勝を誇るENEOSだが、昨年つかんだ本大会への切符は実に5年ぶりだった。低迷期からの脱却を託されたのは、2013年に都市対抗2連覇を成し遂げた大久保秀昭監督(52)。19年12月の監督復帰から1年で結果を出したチームづくりと育成手腕に迫った。

慶応大監督時代の貴重な経験

 再建へ一筋の光が差した有名なエピソードがある。大久保監督が復帰して約半年たった昨年6月の練習。川崎市の練習グラウンドで、当時3年目の内野手、小豆沢(あずきざわ)誠とノックで向き合っていた。

 「もうやめるか?」「まだまだやめんわ!」。最初は普通に繰り返されていた個人ノックも徐々に息が上がり、両者の表情は険しくなっていく。次第に足元がおぼつかなくなって歯を食いしばる小豆沢の足の裏の皮はむけていた。バットを振る大久保監督の手の皮もむけて血だらけだった。ノックで監督にボールを渡し、その姿を間近で見ていた山口尚記・元マネジャー(33)は当時の場面を鮮明に覚えている。

 「監督の手を見たら皮がむけてぐちゃぐちゃでした。ノック受ける側ばかりが注目されるけど、打つ側もよほどの本気さがなければできない。2年間伸び悩んでいた小豆沢に期待するものがあるから、お互いの気迫を通じて反骨心を思い出させようとしていたのだと思います」。ノックは約5時間に及んだ。

 大久保監督には信念がある。自らを…

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