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先月のピカイチ 来月のイチオシ

毎月数多くの公演に足を運び耳を傾けている鑑賞の達人が、1カ月で最も印象に残った演奏と、これから1カ月で聴き逃せないプログラムを紹介します。

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先月のピカイチ 来月のイチオシ

イタリア人の矜持~バッティストーニ×東京二期会のヴェルディ「レクイエム」……21年8月

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東京二期会スペシャル・コンサートより、バッティストーニがタクトを振ったヴェルディのレクイエム=8月13日、東京オペラシティ コンサートホール
東京二期会スペシャル・コンサートより、バッティストーニがタクトを振ったヴェルディのレクイエム=8月13日、東京オペラシティ コンサートホール

 8月は新型コロナウイルスの急激な感染拡大でオペラや音楽祭が相次いで中止となる事態も起こり、クラシック音楽界へも少なからぬ影響があった。一方で一部をオンラインの企画に切り替えたり、舞台上の編成を変えたりするなど、創意工夫でコロナ禍の公演の在り方も模索し続けている。そこで9月の当企画も引き続き、8月に開催された公演から「ピカイチ」を、また11月に開催予定の公演から「イチオシ」を、筆者の皆さんにお選びいただいた。

◆◆8月◆◆ 東条碩夫(音楽評論家)選

〈フェスタサマーミューザKAWASAKI 京都市交響楽団〉

8月4日(水)ミューザ川崎シンフォニーホール

広上淳一(指揮)/黒川侑(ヴァイオリン)/佐藤晴真(チェロ)/京都市交響楽団

ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲/ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」

フェスタサマーミューザ初登場にしてその快演で話題を呼んだ京都市響 (C)青柳聡
フェスタサマーミューザ初登場にしてその快演で話題を呼んだ京都市響 (C)青柳聡

〈読響 サマーフェスティバル2021「三大交響曲」〉

8月18日(水)東京芸術劇場 コンサートホール

小林資典(指揮)/読売日本交響楽団

シューベルト:交響曲第7番「未完成」/ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」/       ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界」

 首都圏オーケストラ中心の「フェスタサマーミューザ」にゲストとして登場した京都市響は、広上淳一指揮のもと、完全無欠な演奏の「英雄」交響曲で東国勢を圧倒した。これほど完璧な均衡を備えた「英雄」の演奏を、筆者は日本のオケで聴いたことがない。あまりに整然とし過ぎて、この時期の作曲者の革命的な荒々しさが薄れたような——などという異論は,ここでは出すべきではなかろう。

 8月のうれしい驚きの発見は、ドルトムントに本拠を置いて活動する指揮者・小林資典の登場だ。精緻で躍動的で、情感も豊かな、強い自己主張に富む指揮が、この聴き古された三つの交響曲を新鮮な感覚で蘇らせた。こんな素晴らしい日本人指揮者がまだいたのだ、という喜び。

◆◆11月◆◆ 東条碩夫(音楽評論家)選

〈ウィーン・フィルハーモニー ウィーク イン ジャパン 2021〉

11月3日(水)、8日(月)、11日(木)、12日(金)サントリーホール

リッカルド・ムーティ(指揮)/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

☆Aプロ モーツァルト:交響曲第35番「ハフナー」/シューベルト:交響曲第8番「グレイト」

☆Bプロ シューベルト:交響曲第4番「悲劇的」/ストラヴィンスキー:ディヴェルティメント~バレエ音楽「妖精の接吻」による交響組曲~/メンデルスゾーン:交響曲第4番「イタリア」

〈群馬交響楽団第573回定期演奏会〉

11月20日(土)高崎芸術劇場 大劇場

井上道義(指揮)/林英哲&英哲風雲の会(太鼓)群馬交響楽団

伊福部昭:「日本狂詩曲」/八代秋雄:「交響曲」/石井眞木:日本太鼓とオーケストラのための「モノプリズム」

 頑張っている日本の音楽家たちの演奏をできればイチオシに挙げたいところだが、なにせ当節めったに聴けなくなった外来オーケストラの、それも超一流の名門オケの来日、しかも巨匠ムーティの指揮となれば、やはりここに挙げないわけにはいかない。モーツァルト、シューベルト、メンデルスゾーンなどを並べたプログラムも絶対の魅力。

 次点はやはり日本のオケで行こう。ホールを揺るがせる超大型の日本太鼓とオーケストラが拮抗する石井眞木の大作「モノプリズム」を地方オーケストラが取り上げるという快挙。新しい大ホールを本拠地に得た群響が挑む意欲的な定期だ。この日本太鼓のすさまじい迫力は、ナマで聴かなければ味わえない。


◆◆8月◆◆ 柴田克彦(音楽ライター)選

〈サントリーホール サマーフェスティバル2021 アンサンブル・アンテルコンタンポランがひらく コンテンポラリー・クラシックス〉

8月24日(火)サントリーホール

マティアス・ピンチャー(指揮)/アンサンブル・アンテルコンタンポラン、ほか

ヘルムート・ラッヘンマン:「動き(硬直の前の)」アンサンブルのための/マーク・アンドレ:「裂け目[リス]1」アンサンブルのための/ピエール・ブーレーズ:「メモリアル(…爆発的・固定的…オリジネル)」ソロ・フルートと8つの楽器のための、ほか

サントリーホール サマーフェスティバルにおけるアンサンブル・アンテルコンタンポランのプロデュース公演は8月22~24日の3日間にわたり開催された 写真提供:サントリーホール
サントリーホール サマーフェスティバルにおけるアンサンブル・アンテルコンタンポランのプロデュース公演は8月22~24日の3日間にわたり開催された 写真提供:サントリーホール

〈フェスタサマーミューザKAWASAKI 京都市交響楽団〉

8月4日(水)ミューザ川崎シンフォニーホール

広上淳一(指揮)/黒川侑(ヴァイオリン)/佐藤晴真(チェロ)/京都市交響楽団

ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲/ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」

   

 アンテルコンタンポランの公演では、最高度の技量を有する音楽家が深い共感を持って臨んでこそ立ち現れるコンテンポラリーの真像を、まざまざと実感させられた。作曲者の意図が明確に伝わるその演奏は、迫真的かつ精妙で実に感銘深かった。豊潤なサウンドとふくよかな音楽で魅せた広上&京響は、好演続出のサマーミューザの代表格。加えて7月に当欄で挙げたバッティストーニ&東京フィルもオーケストラの醍醐味(だいごみ)満点の快演だった。

◆◆11月◆◆ 柴田克彦(音楽ライター)選

〈新国立劇場 ワーグナー:「ニュルンベルクのマイスタージンガー」新制作〉

11月18日(木)~12月1日(水)新国立劇場オペラパレス

大野和士(指揮)/東京都交響楽団/イェンス=ダニエル・ヘルツォーク(演出)/トーマス・ヨハネス・マイヤー(ザックス)/キド・イェンティンス(ポーグナー)/アドリアン・エレート(ベックメッサー)/トミスラフ・ムツェンク(ヴァルター)/林 正子(エーファ)、ほか

延期、中止を経て今度こそ、と上演を願う人が続出。ザルツブルク・イースター音楽祭とザクセン州立歌劇場、東京文化会館により共同制作された「ニュルンベルクのマイスタージンガー」(C)OFS Monika Rittershaus
延期、中止を経て今度こそ、と上演を願う人が続出。ザルツブルク・イースター音楽祭とザクセン州立歌劇場、東京文化会館により共同制作された「ニュルンベルクのマイスタージンガー」(C)OFS Monika Rittershaus

〈NHK交響楽団 第1943回定期演奏会〉

11月18日(木)、19(金)東京芸術劇場コンサートホール

ファビオ・ルイジ(指揮)

ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」

 新国立劇場の「マイスタージンガー」は、1年延期→8月の東京文化会館の同公演中止と続いたので、今度こそ実現を!との願いも込めての一番手。もちろん、この難作での新プロダクションの成果、海外の著名ワーグナー歌手の演唱や大野の指揮は要注目だし、個人的には都響の重層的なサウンドに期待している。N響定期は、次期首席指揮者ルイジが今いかなる相性を示すのか? 興味津々。月間3プロを全て振るので他公演も目を離せない。


◆◆8月◆◆ 池田卓夫(音楽ジャーナリスト)選

〈東京二期会オペラ劇場 ベルク:「ルル」新制作〉

8月31日(火)新宿文化センター大ホール

マキシム・パスカル(指揮)/カロリーネ・グルーバー(演出)/東京フィルハーモニー交響楽団/森谷真理(ルル)/増田弥生(ゲシュヴィッツ伯爵令嬢)、ほか

東京二期会によるベルク「ルル」。こちらも待ちに待った一年越しの上演となった (C) 西村廣起
東京二期会によるベルク「ルル」。こちらも待ちに待った一年越しの上演となった (C) 西村廣起

〈フェスタサマーミューザKAWASAKIフィナーレコンサート〉

8月9日(月)ミューザ川崎シンフォニーホール

原田慶太楼(指揮)/東京交響楽団/カルテット・アマービレ(弦楽四重奏)

ヴェルディ:歌劇「アイーダ」から凱旋行進曲とバレエ音楽/かわさき=ドレイク・ミュージック アンサンブル:「かわさき組曲〜アイーダによる」(世界初演)/J・アダムズ:「アブソルート・ジェスト」/吉松隆:交響曲第2番「地球(テラ)にて」

 二期会「ルル」は2020年夏に東京文化会館で上演するはずがコロナ禍で1年後の新宿文化センターに延期されたが、〝けがの功名〟以上の成果を上げた。グルーバーは女性視点でルル像を洗い直し、パスカルは新感覚で音楽の美を極め、歌手は1年かけて役柄やドイツ語歌唱を掘り下げた。ドイツの地方歌劇場を思わせる新宿文化の親密な空間は、演劇的な感興も盛り上げた。

 川崎フェスタのフィナーレは特別支援学校の子どもたちが参加したドレイク・プロジェクトと東響のコラボ。SDGsを標榜(ひょうぼう)する共生社会の近未来像、音楽が果たすべき役割を明らかにした。

◆◆11月◆◆ 池田卓夫(音楽ジャーナリスト)選

〈ウィーン・フィルハーモニー ウィーク イン ジャパン 2021(Aプロ)〉

11月12日(金)サントリーホール

リッカルド・ムーティ(指揮)/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

モーツァルト:交響曲第35番「ハフナー」/シューベルト:交響曲第8番「グレイト」

北端祥人ピアノ・リサイタル

11月11日(木)東京オペラシティ リサイタルホール

 ムーティはシューベルトの交響曲第8番「ザ・グレート(グレイト)」に特別な愛情を抱いているようで過去にもウィーン・フィルと2度、PMFオーケストラと1度、日本ツアーの曲目に入れている。今年4月の「東京・春・音楽祭」のヴェルディ:歌劇「マクベス」演奏会形式上演でも示した通り、今回は80歳に至ったマエストロの円熟境を満喫することになるだろう。

 北端は2019年にベルリン留学から帰国。リサイタルはブラームスの大曲、ソナタ第3番がメインだが、同時代の作曲家イェルク・ヴィトマンの「11のフモレスケ」全曲演奏に注目したい。


◆◆8月◆◆ 毬沙琳(音楽ジャーナリスト)選

〈東京二期会 二期会スペシャル・コンサート〉

8月12日(木)東京オペラシティ コンサートホール

アンドレア・バッティストーニ(指揮)/木下美穂子(ソプラノ)/中島郁子(アルト)/城宏憲(テノール)/妻屋 秀和(バス)/佐藤宏(合唱指揮)/二期会合唱団/東京フィルハーモニー交響楽団

ヴェルディ:レクイエム

〈新国立劇場 渋谷慶一郎:「Super Angels スーパーエンジェル」新制作 創作委嘱作品・世界初演〉

8月21日(土)新国立劇場オペラパレス

大野和士(総合プロデュース・指揮)/島田雅彦(台本)/小川絵梨子(演出監修)/針生康(総合舞台美術)/WEiRDCORE(映像)/オルタ3(ゴーレム3)/藤木大地(アキラ)/三宅理恵(エリカ)/成田博之(ジョージ)/世田谷ジュニア合唱団/ホワイトハンドコーラスNIPPON/東京フィルハーモニー交響楽団(管弦楽)、ほか

 イタリア人の矜持(きょうじ)に満ちたバッティストーニの「レクイエム」。闇に射す一筋の光のように始まる冒頭の響きから狂気をはらむ音の渦になり、劇的な音楽にひたすら身を委ねるばかり。ブレス(息)さえも音楽になる圧巻の合唱とソリストまで見事だった。

 「スーパーエンジェル」はアンドロイドを生の舞台で観(み)ることの興味が大きかったのだが、最も心打たれたのは、児童合唱と障害のある子どもたちが加わるホワイトハンドコーラスによる手話合唱であり、全力で表現する子どもたちの生命力だった。それはアンドロイドの存在によって一層輝きを増していたかもしれない。音楽、演劇、舞踏のプロフェッショナル集団をまとめた大野和士、琴線に触れる音楽を作った渋谷慶一郎らの残したものが「希望」だったことに、このプロダクションの意義を感じた。

◆◆11月◆◆ 毬沙琳(音楽ジャーナリスト)選

〈読売日本交響楽団 第242回土曜・日曜マチネーシリーズ〉

11月20日(土)、21日(日)東京芸術劇場

鈴木優人(指揮)/ミシェル・カミロ(ピアノ)

R・アルフテル: 祝典序曲/カミロ:ピアノ協奏曲第2番「テネリフェ」(日本初演)/ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」

ジャズ・ピアニスト、ミシェル・カミロのピアノ協奏曲とブルックナーという異色のプログラムで注目される読響の11月マチネーシリーズ (C) 読売日本交響楽団(左)/(C)Frankie Celenza
ジャズ・ピアニスト、ミシェル・カミロのピアノ協奏曲とブルックナーという異色のプログラムで注目される読響の11月マチネーシリーズ (C) 読売日本交響楽団(左)/(C)Frankie Celenza

〈新国立劇場 ワーグナー:「ニュルンベルクのマイスタージンガー」新制作〉

11月18日(木)~12月1日(水)新国立劇場オペラパレス

大野和士(指揮)/東京都交響楽団/イェンス=ダニエル・ヘルツォーク(演出)/トーマス・ヨハネス・マイヤー(ザックス)/キド・イェンティンス(ポーグナー)/アドリアン・エレート(ベックメッサー)/トミスラフ・ムツェンク(ヴァルター)/林 正子(エーファ)、ほか

 今シーズンの読響ラインナップが発表された時に、最も驚いたのがジャズ・ピアニストのミシェル・カミロの登場だった。5年前にライブで聴いて、その圧巻のピアノに魅了された。マエストロ鈴木優人の推薦で、日本初演となる自作の協奏曲を披露する。ここでしか聴けないものになるだろう。

 昨年来挙げている「マイスタージンガー」は、この夏東京文化会館で本番直前の中止という困難にも直面した。今度こそ、あの高らかな前奏曲が鳴り響くと信じたい。


◆◆8月◆◆ 宮嶋極(音楽ジャーナリスト)選

〈東京二期会 二期会スペシャル・コンサート〉

8月12日(木)東京オペラシティ コンサートホール

アンドレア・バッティストーニ(指揮)/木下美穂子(ソプラノ)/中島郁子(アルト)/城宏憲(テノール)/妻屋 秀和(バス)/佐藤宏(合唱指揮)/二期会合唱団/東京フィルハーモニー交響楽団

ヴェルディ:レクイエム

〈読売日本交響楽団 第644回名曲シリーズ〉

8月23日(月)サントリーホール

セバスティアン・ヴァイグレ(指揮)/イサン・エンダース(チェロ)

カバレフスキー:歌劇「コラ・ブルニョン」序曲/ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲第2番/同:交響曲第5番

 新型コロナウイルスの感染爆発を受けて8月は取材機会を極力減らしたが印象深い公演はいくつかあった。ピカイチは二期会によるヴェルディのレクイエム。指揮はバッティストーニ、東京フィルの編成は12型、合唱は40人の小編成だったが、起伏に富んだ表現が次々と繰り出され、ホールの響きの豊かさにも助けられ物足りなさを感じさせることはなかった。バッティストーニはすさまじいまでの推進力で曲を進めた一方で、細かなニュアンスもうまく表現しており彼ならではの作品世界を創出していた。4人の独唱者の気迫に満ちた歌唱も聴き応え十分。合唱のハーモニーも美しかった。次点のヴァイグレ指揮読響は堅固な土台の上に構造物を建てたようなどっしりとした演奏。この指揮者の求める音楽がオケに根付いてきたことをうかがわせる安定感を感じた。

◆◆11月◆◆ 宮嶋極(音楽ジャーナリスト)選

〈ウィーン・フィルハーモニー ウィーク イン ジャパン 2021〉

11月3日(水)、8日(月)、11日(木)、12日(金)サントリーホール

リッカルド・ムーティ(指揮)/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

☆Aプロ モーツァルト:交響曲第35番「ハフナー」/シューベルト:交響曲第8番「グレイト」

☆Bプロ シューベルト:交響曲第4番「悲劇的」/ストラヴィンスキー:ディヴェルティメント~バレエ音楽「妖精の接吻」による交響組曲~/メンデルスゾーン:交響曲第4番「イタリア」

ウィーン・フィルはサントリーホールのほか、名古屋、姫路、大阪でも公演を行う (C)Wiener Philharmoniker / Dieter Nagl(左)/(C)Lois Lammerhuber
ウィーン・フィルはサントリーホールのほか、名古屋、姫路、大阪でも公演を行う (C)Wiener Philharmoniker / Dieter Nagl(左)/(C)Lois Lammerhuber

〈新国立劇場 ワーグナー:「ニュルンベルクのマイスタージンガー」新制作〉

11月18日(木)~12月1日(水)新国立劇場オペラパレス

大野和士(指揮)/東京都交響楽団/イェンス=ダニエル・ヘルツォーク(演出)/トーマス・ヨハネス・マイヤー(ザックス)/キド・イェンティンス(ポーグナー)/アドリアン・エレート(ベックメッサー)/トミスラフ・ムツェンク(ヴァルター)/林 正子(エーファ)、ほか

 昨年はコロナ禍の中、奇跡的に実現したウィーン・フィル・ウィーク。状況がさらに悪化した今年はどうなることか。実現への期待も込めてイチオシとした。演目はシューベルトを軸にした2種類。同オケのムーティとの来日は5度目。初回は1975年3月、カール・ベームの〝サブ〟としての帯同だった。来日当時ベームは80歳。「グレイト」で歴史的名演を聴かせてくれたが、奇しくもムーティも同じ80歳。今度は彼が新たな歴史を紡いでくれることであろう。「マイスタージンガー」は昨年に続いて今年夏の東京文化会館の公演も中止になった。同作品の首都圏におけるフルステージ上演は2005年以来となるだけに今度こその思いは多くの音楽ファンに共通したもの。両公演ともぜひとも実現してほしい。

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