セレブの心をわしづかみ 25歳の百貨店外商員、知られざるその仕事

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顧客に提案する機会が多い腕時計に関する説明を受ける小澤みなみさん(右)=東京都豊島区の西武池袋本店で2021年8月31日午後5時53分、松山文音撮影
顧客に提案する機会が多い腕時計に関する説明を受ける小澤みなみさん(右)=東京都豊島区の西武池袋本店で2021年8月31日午後5時53分、松山文音撮影

 「百貨店の外商員」と聞けば、セレブを相手にする経験豊富なベテランといったイメージがある。だが、新型コロナウイルス禍で厳しい経営環境が続く百貨店業界を取材していて「25歳の外商員が活躍している」と耳にした。まだ経験が浅いはずの若手が、どうやって顧客の心をつかんでいるのか。仕事ぶりを探ろうと一日密着した。

 8月のある日、西武池袋本店(東京都豊島区)のお得意様部に所属する小澤みなみさん(25)は、同店の美術係の担当者を伴って都内の閑静な住宅街を訪れた。手にしているのは、丁寧に梱包(こんぽう)された小ぶりな日本画。この商品を購入した顧客に直接届けるため、足を運んだ。

 顧客は会社を経営する40代の夫婦。約2年前に小澤さんの提案を受け、外商の利用を始めた。外商を通じて美術品を購入するのは、これで4回目だ。夫婦は「小澤さんは細かな相談に乗ってくれ、催事で実際に作家と話をして作品の魅力に気付き、買ってしまった」と口をそろえる。

 外商の利用を始めた当初は「商品を売りつけられるのでは」と不安も感じたが、「気軽に相談でき、前よりも百貨店が身近になった。担当が代わってしまうと困る」。言葉の端々から小澤さんへの深い信頼感が伝わってきた。

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