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2021自民党総裁選

岸田文雄首相による新内閣が発足しました。内閣について考察した記事や各国の反応をまとめています。

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総裁選4候補、議員票か党員票か 「最後の勝ち馬」狙い駆け引き

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自民党総裁選の候補者記者会見前に記念写真に納まる(左から)河野太郎行政改革担当相、岸田文雄前政調会長、高市早苗前総務相、野田聖子幹事長代行=東京都千代田区の同党本部で2021年9月17日午後3時、竹内幹撮影
自民党総裁選の候補者記者会見前に記念写真に納まる(左から)河野太郎行政改革担当相、岸田文雄前政調会長、高市早苗前総務相、野田聖子幹事長代行=東京都千代田区の同党本部で2021年9月17日午後3時、竹内幹撮影

 自民党総裁選(29日投開票)は17日告示され、「ポスト菅」を狙う4人が立候補を届け出た。国会議員票と党員・党友票をどう獲得するかを巡り、各陣営の戦略と思惑は異なっており、激しい駆け引きが予想される。選挙戦の行方は間近に迫る次期衆院選にも大きな影響を与える。

河野氏「人気者連合」で党員票に標準

岸田氏、議員票で巻き返し狙う

 「国民の支持をバックにしっかりと説明責任を果たす」。河野太郎行政改革担当相(58)=麻生派=は17日午後、国会内での支持議員との会合で決意を語った。続いて石破茂元幹事長が「納得と共感の政治を取り戻す」と述べると、小泉進次郎環境相も「改革の志を持つ人を糾合し日本を大きく前進させたい」と力を込めた。3氏はグータッチで写真撮影に応じた。

 14日に小泉氏、15日に石破氏が河野氏の支持を表明して以降、2人が前面に立つ機会が増えた。毎日新聞の世論調査(8月28日)で、総裁にふさわしいと思う政治家のトップは石破氏で、2位は河野氏。小泉氏を加えた「人気者連合」でイメージアップを図り、党員票獲得につなげる戦略だ。

 河野氏は当初、麻生派(53人)の支持を取り付けようと動いた。だが、同派会長の麻生太郎副総理兼財務相は一本化に慎重で、同派は河野氏と岸田文雄前政調会長(64)=岸田派=の両氏の支持にとどまった。河野氏は出馬表明も岸田氏や高市早苗前総務相(60)=無派閥=より遅れた焦りもあり、党員票最重視の方針にかじを切った。

 河野氏は17日の記者会見で「総裁選直後に衆院選もある。国民からの支持が最大の争点だ」と強調した。党員票で圧倒することで議員票固めも有利に進める筋書きだ。だが、麻生氏や安倍晋三前首相と折り合いが悪い石破氏を取り込んだ「副作用」も懸念される。安倍氏の出身派閥・細田派(96人)や麻生派の反発を招けば、支持が岸田氏に流れるリスクも抱えた。

 岸田氏の17日の出陣式には、岸田派(46人)以外に細田派や麻生派、竹下派(52人)などから約60人が出席した。参加者数は秘書の代理やオンライン出席も加えると100人超で、河野氏陣営の約80人を上回った。

 岸田氏が…

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【2021自民党総裁選】

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