特集

2021自民党総裁選

岸田文雄首相による新内閣が発足しました。内閣について考察した記事や各国の反応をまとめています。

特集一覧

アベノミクスの異次元緩和 識者が注目する総裁選4候補の「距離感」

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
自民党総裁選と大規模金融緩和について語る上野泰也・みずほ証券チーフマーケットエコノミスト=2021年9月15日午後3時41分、安藤大介撮影
自民党総裁選と大規模金融緩和について語る上野泰也・みずほ証券チーフマーケットエコノミスト=2021年9月15日午後3時41分、安藤大介撮影

 安倍晋三前政権が掲げ、菅義偉政権も引き継いだ経済政策「アベノミクス」で「第一の矢」に位置づけられた大胆な金融政策。これに沿って日銀が始めた「異次元の金融緩和」は9年目に入ったが、2%の物価上昇目標の実現は全く見通せない。自民党総裁選に名乗りを上げた4氏は、この課題をどう考えているのか。金融政策に詳しい上野泰也・みずほ証券チーフマーケットエコノミストに聞いた。【聞き手・安藤大介/経済部】

注目点は「アベノミクスとの距離感」

 ――異次元緩和をこの先どうするのか。総裁選の論点の一つです。

 ◆安倍前政権で官房長官を務めた菅首相は、アベノミクスの大番頭という役割でした。経済政策ではアベノミクスを完全に踏襲したので、変化は起きようがありませんでしたが、今回の総裁選はそうはならないでしょう。

 ただ、安倍氏の政治的影響力はなお強い。各候補は「安倍詣で」をしている状況です。持論を封印して支持を得ようという姿勢が前面に出ており、「アベノミクスとの距離感」が「ポスト菅」争いを見ていく上での注目点になります。

 異次元緩和の見直しは、…

この記事は有料記事です。

残り1767文字(全文2228文字)

【2021自民党総裁選】

時系列で見る

関連記事

あわせて読みたい

マイページでフォローする

この記事の筆者
すべて見る

ニュース特集