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アフガン政権崩壊

イスラム主義組織タリバンが2021年8月15日、首都カブールを制圧し、勝利宣言。ガニ政権が崩壊しました。

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アフガン退避失敗 バングラデシュ人記者が思う「日本に足りぬ覚悟」

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国外へ退避しようとアフガニスタンの首都カブールの国際空港前に集まる大勢の人々=2021年8月17日、AP
国外へ退避しようとアフガニスタンの首都カブールの国際空港前に集まる大勢の人々=2021年8月17日、AP

 東京に駐在する外国メディア特派員の目に、私たちの社会はどう映っているのだろうか。韓国、フランス、米国、バングラデシュ、シンガポールの個性豊かな記者たちがつづるコラム「私が思う日本」。第22回を執筆したのは、プロトム・アロ紙(バングラデシュ)のモンズルル・ハック東京支局長。イスラム主義組織タリバンが政権を掌握したアフガニスタンからの退避について考える。

   ◇

 アフガニスタンという国は、私たちが考える「普通」とはかけ離れた場所だ。高く険しい山脈に囲まれたこの国では、その美しい渓谷からは想像もつかないような厳しい現実に日々直面する人々がいる。

 アフガンは世界で最も貧しい国の一つだが、貧しさは必ずしも幸福の度合いを決めるわけではない。その証拠に、ヒマラヤ山脈の小国、ブータンは名目国内総生産(GDP)が低いレベルにあるにもかかわらず、「世界一幸せな国」を自任している。

 しかし、アフガンの場合は、貧しさがこの不運な国の人々の不幸を倍増させる要因になっている。最近の報道によると、イスラム主義組織タリバンが政権を掌握した8月中旬以降、アフガンでは深刻な食糧不足が広がりつつある。30年以上にわたって出口の見えない政情不安を経験してきたアフガンの人々の行く末に、世界中が懸念を深めている。

 タリバンによる政権掌握から1カ月余りが過ぎ、アフガンが世界のニュースをにぎわせることは少なくなってきた。そんな中、いまだに答えが見つからない問題といえば、「取り残されたアフガン人」がどうなるのかということだ。外国の駐留部隊や政府機関などの雇用主に置き去りにされ、タリバンに従うしかないアフガン人協力者はどうなるのか。これは日本とも密接に関わる問題だ。…

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