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札幌、コロナ重症者数が高止まり 医師「今も通常医療が犠牲に」

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ススキノ交差点=札幌市中央区で2020年5月1日、貝塚太一撮影 拡大
ススキノ交差点=札幌市中央区で2020年5月1日、貝塚太一撮影

 札幌市で新型コロナウイルスの新規感染者数が減少傾向にある中、重症者数の高止まりが続いている。重症患者は40~60代が中心。「第5波」は落ち着きつつあるが、現場の医師は「通常医療を犠牲にしている状況は今も変わらない」としており、依然警戒が必要だ。【土谷純一】

「新型コロナ第5波」札幌市の新規感染者と重症者 拡大
「新型コロナ第5波」札幌市の新規感染者と重症者

 市内の新規感染者は7月初旬に20人前後だったが、徐々に増加傾向が強まり、月末に203人を確認。8月14日には322人となり、第5波のピークを迎えた。しかし、緊急事態宣言発令(8月27日)から2週間たった後は40~80人台で推移している。

 一方、重症者は、新規感染者の波からやや遅れて増加傾向が見られた。7月中旬は2、3人だったのが、下旬ごろから増え始め、8月6日に10人に到達。新規感染者のピークから2週間余が過ぎた今月1日以降更に増加傾向が強まり、ちょうど3週間後の4日に第5波で最多の17人となった。

 厚生労働省は、新型コロナ患者を症状別に「軽症」「中等症Ⅰ」「中等症Ⅱ」「重症」の4段階に分類。呼吸不全のない「中等症Ⅰ」に対し、呼吸不全がある「中等症Ⅱ」には酸素投与が必要だ。また、医師が「中等症Ⅱ」と判断した場合でも症状に応じて、「重症者」に使われる人工呼吸器や人工心肺装置「ECMO」などを備えた施設への転院を考慮するとしている。

 札幌市手稲区の「手稲渓仁会病院」で救命救急センター長を務める奈良理副院長(56)によると、市内では高流量・高濃度の酸素投与が必要な患者を含めると、第5波では「重症相当の患者」が最大40人程度いたといい、分類上の「重症者」の数以上に医療現場に負荷がかかっていたことがうかがえる。

 札幌市によれば、10日時点で、市内に確保された重症者用52床のうち16床が埋まる。患者16人の内訳は、30代1人▽40代5人▽50代6人▽60代4人。市内の65歳以上の高齢者約56万人の8割以上が2回のワクチン接種を完了しており、高齢者の重症化が抑えられているとみられる。奈良副院長は「高齢の感染者が減ったことで医療機関への負荷は低減したが、通常医療を犠牲にしている状況はまだある」と話す。

 そして、若い世代の重症者が増えることに伴う「家庭内感染」の影響を懸念する。重症の両親が入院すれば、低年齢の子どもは世話する人がいなくなり、無症状であっても同じ病院に入院せざるを得ない。こうした状況は第5波で起きており、「看護師は子どもの世話に付ききりになる。親戚などに預けるのは感染拡大のリスクがあり、行政で預けられる場所を確保しなければならない」と語った。

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