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未明の大海原に浮かぶ小さな漁船の甲板で、福島県新地町の漁師、小野春雄さん(69)は引き上げた網に目をこらしていた。2011年3月の東日本大震災の津波で同じ漁師の弟常吉さん(当時56歳)を失い、東京電力福島第1原発事故で生きるよりどころを害された。今も本格操業できない中、政府が約2年後に原発構内にたまる処理水を海に放出しようとしていることに、小野さんは憤りを感じている。「福島の海って無限大の宝庫なんよ」。その思いを知りたくて、漁に同行した。
秋雨の降る9月2日午前2時。小野さんは3人の乗組員と共に新地町の釣師浜(つるしはま)漁港から船を出した。最高時速25ノットで東に走らせること30分。沖合約5キロの漁場に着くと、前日に仕掛けていた刺し網を引き上げ、勢い良くはねる魚を手際よく網から外した。
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