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第5回全国高校eスポーツ選手権

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eスポーツ市場、3年後は規模2倍の予測 成長の可能性秘めた未来

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日本国内の大会で優勝し、喜ぶ選手たち。eスポーツの未来は明るいと、専門家はみている=千葉市美浜区の幕張メッセで2019年3月24日午後5時43分、和田大典撮影 拡大
日本国内の大会で優勝し、喜ぶ選手たち。eスポーツの未来は明るいと、専門家はみている=千葉市美浜区の幕張メッセで2019年3月24日午後5時43分、和田大典撮影

 日夜、eスポーツ市場を調査研究し続けている「角川アスキー総合研究所」に、eスポーツ界の未来を占ってもらった。

 研究所が発行する「ファミ通ゲーム白書」の編集長、上床光信さんはこう断言する。「オンラインゲームの発展と共に、eスポーツ市場は必ず飛躍する」。研究所が今年4月にまとめた市場規模成長予測によると、今年、約87億円を見込むeスポーツの市場規模は3年後の2024年に約184億円にまで拡大する。この要因について、上床さんは「(日本の)オンラインゲームの普及」を挙げた。

 日本のゲーム業界は長らく家庭用ゲーム機が主流で、パソコン(PC)が中心の欧米、中国、韓国などと比べ、オンラインゲームの普及が遅れているという。確かに、日本のゲームといえば、ゲーム機本体とともに、ソフトを買って遊ぶものがほとんど。開発メーカーは、発売したソフトをいかに早く売り切るかが成功の秘訣(ひけつ)だった。

国内eスポーツ市場規模とファン数 拡大
国内eスポーツ市場規模とファン数

 しかし、オンラインゲームの場合、「一つのゲームをいかに長い期間、遊んでもらえるか」(上床さん)がポイント。アイテムを獲得するための課金により、浅く広く収益を上げるビジネスモデルとなっている。

 オンラインによってユーザーは全世界に広がり、数億人が遊ぶビッグタイトルも生まれている。上床さんは「これからの日本では、パッケージゲーム(非オンラインの家庭用ゲーム)主流の時代は終わる」と予想。これまでオンラインゲームが未成熟だった分、欧米に比べて伸びしろがあり、スマートフォンアプリゲームの広がりや第5世代(5G)移動通信システムの拡大なども相まって、市場は今後も拡大を続けていくとみている。

 ただ、新型コロナウイルス感染症がeスポーツにも少なからず影響を及ぼしていると、上床さんは指摘する。eスポーツは、野球など他のメジャースポーツ同様、大きな会場に観客を集め、試合を観戦させる「オフライン大会」を売り物にしていた。しかし、感染拡大の影響で、オフラインによる大会が軒並み開催できず、観戦による収入が減ったという。研究所の市場規模調査でも、20、21年に関しては当初の予測を下方修正した。

 「eスポーツは(競技団体が誕生するなどし)『eスポーツ元年』といわれた18年から参入する企業が増えたが、意外にチーム運営が難しいことがわかって撤退する企業も出てきている。選手も、eスポーツだけで食べていける人は少数で、まだまだ成熟しているとは言いがたい」と上床さん。さらなる飛躍を遂げるには「スター選手とスタータイトルの存在が欠かせない」とも語る。

 また、オンライン化によって、ゲームタイトルの市場は世界に拡大する。上床さんは「突然、ヒットIP(タイトル)が出てくると、ガバッと利益を持っていくのが、オンラインゲームの特徴。国内企業からヒット作が生まれれば、市場規模もさらに広がっていく」と考えている。

 22年には中国・杭州で開かれるアジア大会で、正式種目になることが決まっているeスポーツ。日本国内では課題もあるが、今後、大きく成長する可能性を秘めている【杉本修作】

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