- ツイート
- みんなのツイートを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷

悩みや葛藤抱え、光と影映す
弘前市桶屋町の繁華街の一角にある老舗シャンソンバー「漣(れん)」。かつて名だたる作家たちが訪れ、県外からの客も多かったこの店も新型コロナウイルス禍にさらされ苦境に立たされている。8月下旬、店を訪ねるとオーナーの秋田漣さん(77)が迎えてくれた。
秋田さんはこの場所で半世紀余、シャンソンを歌い続けてきた。しかし、感染が広がってからはすっかり客足が遠のき、店を開けることさえはばかられるようになってしまったという。この日の客は記者1人。それでもマイクを握り、ダミアや淡谷のり子の歌で大ヒットした名曲「人の気も知らないで」を憂いのある低い声で歌い上げた。
「苦労してここまでやってきたのにコロナで客が来ない。悔しいよね。やっぱり聴いてくれる人がいないと歌えませんよ」
この記事は有料記事です。
残り773文字(全文1118文字)