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人生は美しい

 新型コロナ禍にあってなお、ステージに立つ秋田さん。なぜ歌い続けるのか。その人生をたどる。

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シャンソン歌手・秋田漣の軌跡/上 文士ら訪れた、弘前の老舗バー 歌い続け半世紀 /青森

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シャンソンの名曲を歌い上げる秋田漣さん=青森県弘前市のシャンゾンバー「漣」で2021年8月27日、山衛守剛撮影
シャンソンの名曲を歌い上げる秋田漣さん=青森県弘前市のシャンゾンバー「漣」で2021年8月27日、山衛守剛撮影

悩みや葛藤抱え、光と影映す

 弘前市桶屋町の繁華街の一角にある老舗シャンソンバー「漣(れん)」。かつて名だたる作家たちが訪れ、県外からの客も多かったこの店も新型コロナウイルス禍にさらされ苦境に立たされている。8月下旬、店を訪ねるとオーナーの秋田漣さん(77)が迎えてくれた。

 秋田さんはこの場所で半世紀余、シャンソンを歌い続けてきた。しかし、感染が広がってからはすっかり客足が遠のき、店を開けることさえはばかられるようになってしまったという。この日の客は記者1人。それでもマイクを握り、ダミアや淡谷のり子の歌で大ヒットした名曲「人の気も知らないで」を憂いのある低い声で歌い上げた。

 「苦労してここまでやってきたのにコロナで客が来ない。悔しいよね。やっぱり聴いてくれる人がいないと歌えませんよ」

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