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自民党総裁選の候補者討論会(日本記者クラブ主催)がきのう、開かれた。河野太郎行政改革担当相、岸田文雄前政調会長、高市早苗前総務相、野田聖子幹事長代行の4氏が臨んだ。
初めて候補者が男女同数となった効果でもあろう。ジェンダー問題や子育て政策など議論のテーマが広がったのは評価したい。
ただし、今回の総裁選で最も問われているのは何か。やはり、感染拡大が収まらない新型コロナウイルスへの具体的な対策であり、安倍晋三前政権からの約9年間をどう総括するかだ。その点では不満が残った。
改めて指摘したいのは昨秋、自民党内の各派閥がこぞって推して発足した菅義偉政権がわずか1年で行き詰まったことである。
その責任は自民党全体にあるはずだ。ところが4氏からは、ほとんど反省の弁が聞かれなかった。これは理解に苦しむ。
コロナ対策については、4氏ともに医療体制の強化や困窮者への経済支援などを充実させると語った。しかし多くの国民が求めているのは、それを直ちに実行することだ。
4氏はいずれも自民党の有力者である。自分が総裁になったら実現する――という公約にとどまらず、なぜ今、できないのか。疑問を抱いた人は多いだろう。
とりわけ河野氏はワクチン担当の現職閣僚だ。「ワクチン接種は順調にいった」と自画自賛するだけでは前に進まない。
依然として安倍氏への配慮も目立った。財務省が決裁文書の改ざんにまで手を染めた森友学園問題の再調査が必要だと明言したのはこの日も野田氏だけだった。
安倍氏が主催した「桜を見る会」を巡る疑惑も解明されていない。安倍氏の国会での虚偽答弁が指摘された問題である。
だが討論会では、問題視するどころか、高市氏が「あれだけ長い国会審議で説明はされていると思う」と安倍氏を擁護したほどだ。
米国と中国の対立が深まる中で日本がどう動こうとしているのか。こうした点も含めて、総じて危機感が伝わらなかった討論会だったと言っていい。
29日の投票日まで、総裁選で議論を深めるべき課題は多い。
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