連載

記者の目

最前線の記者がそれぞれの取材テーマを論じます。1976年にスタートした毎日新聞を代表するコーナー。

連載一覧

記者の目

戦争体験継承の壁 個人情報保護、運用は柔軟に=青島顕(東京社会部)

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷
村山常雄さんが作成した「ソ連抑留中死亡者」名簿の一部。漢字表記になったことで死者をより身近に感じることができる=2005年撮影
村山常雄さんが作成した「ソ連抑留中死亡者」名簿の一部。漢字表記になったことで死者をより身近に感じることができる=2005年撮影

 戦争体験者が高齢化し、話を聞く機会は極めて少なくなっている。今後は体験者が残してくれたものを含め公的、私的な記録を使って、受け継ぐしかないだろう。その壁の一つに「個人情報」がある。

抑留死者の人生 漢字名簿で実感

 戦後76年を迎えた8月下旬、ソ連による元日本兵ら約60万人の「シベリア抑留」で命を落とした約6万人のうち、氏名が判明した4万6300人の名簿を朗読するオンラインイベントがあった。旧ソ連領やモンゴルに連行された抑留者の支援団体が呼びかけ、昨年に続き2回目となる。今年は小学生から96歳の抑留帰還者まで102人が参加し、約46時間かけ読み上げた。

 教員に誘われ参加したという早稲田大3年の平田拓海さん(21)は、抑留された場所を確認しながら500人の名を読んだ。「数だけでは分からない一人一人の人生を実感した」。イベントはユーチューブで配信され、モスクワの大学生も視聴した。

この記事は有料記事です。

残り1466文字(全文1858文字)

あわせて読みたい

この記事の特集・連載
すべて見る

注目の特集