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中村格(なかむら・いたる)さん(58)
20代後半の和歌山県警捜査2課長の時に手痛い失敗をした。着任後、最初に着手した汚職事件でのことだ。家宅捜索に踏み切ったが、事前に検察と十分な協議をしていなかったうえに証拠がそろわず、立件断念に追い込まれた。「無謀なチャレンジだった」と打ちひしがれた。
学んだのは、検察とともに公判に堪えうる証拠を地道に集めることの大切さだ。教訓を胸に、その後は事件捜査で頭角を現し、警視庁捜査2課長や刑事部長などを歴任し、検察との人脈も築いた。
菅義偉首相の官房長官在任中に秘書官を務めるなど、政権の中枢で長く働いた。「政権との距離が近い」と批判を受けたこともある。一方、警察庁長官の経歴としては珍しく、県警など地方警察のトップである本部長には就いていない。「地方」を知らないことが弱点にならないように「本部長らに現場が抱える悩みを直接聞いて、吸収しながら判断したい」と話す。
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