特集

はやぶさ2

探査機「はやぶさ2」がリュウグウで試料を採取して持ち帰る6年の旅を完遂。分析や次のミッションを解説。

特集一覧

科学の森

小惑星の試料、初期分析ヤマ場

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
はやぶさ2試料の初期分析
はやぶさ2試料の初期分析

 探査機はやぶさ2が小惑星リュウグウで採取した石や砂の特徴を明らかにする「初期分析」がヤマ場を迎えている。鍵を握るのは地球上で回収された隕石(いんせき)との比較だ。素性の知れた相手と照らし合わせて分析することで、リュウグウのベールをはいでいく。

リュウグウと隕石比較、起源探る

 2020年12月、はやぶさ2が地球へ持ち帰ったリュウグウの試料は約5・4グラム。うち約0・3グラムが今年6月、初期分析を担当する6チームの手に渡った。残りの試料は将来に向けて保管したり、米航空宇宙局(NASA)に分配したりする計画だ。初期分析には世界14カ国から総勢約270人が参加し、1年間という限られた期間で研究成果を出すことが求められている。

 「僕にとって小惑星は『天文学』で、隕石は『化学』。小惑星の物質はその間をつなぐ――、つまり宇宙と実験室をつなぐ扉です。だから隕石と比較せずして、この研究は始まらない」。初期分析6チームのリーダーの一人、北海道大の圦本(ゆりもと)尚義教授は力を込める。

この記事は有料記事です。

残り1358文字(全文1796文字)

【はやぶさ2】

時系列で見る

あわせて読みたい

マイページでフォローする

この記事の特集・連載
すべて見る

ニュース特集