中台TPP先陣争い 思惑と焦りと 判断迫られる日本

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環太平洋パートナーシップ協定(TPP)への加入申請の経緯などを説明する台湾行政院の鄧振中政務委員=台北で2021年9月23日、行政院提供・共同
環太平洋パートナーシップ協定(TPP)への加入申請の経緯などを説明する台湾行政院の鄧振中政務委員=台北で2021年9月23日、行政院提供・共同

 中国に続き、台湾が環太平洋パートナーシップ協定(TPP)への加入を正式に申請した。中台は相手より先に加入しようと互いを強くけん制し合っており、今後、TPPが駆け引きの舞台となりそうだ。日本など加盟国は難しい判断を迫られることになる。

中国にルール障壁 遅れとれぬ台湾

 「中国と台湾は完全に異なる二つの体制だ。台湾は完全な市場経済を採用している。中国の状況がどうであるかは誰もが知っていることだ」。台湾の通商交渉トップ、鄧振中(とうしんちゅう)政務委員(閣僚級)は23日の記者会見でこう述べ、TPP加入を目指す中国をけん制した。中国には、国有企業改革や国境を越えるデータの取り扱い、強制労働問題など、TPPが求める高水準のルールを満たすために乗り越えるべき課題が山積している。

 台湾側の焦りも見え隠れする。鄧氏は「中国が先に加入すれば台湾の加入にはリスクが生じる」と述べ、中国の動きを受けて加入申請を急いだことをにじませた。中国が先に加入すれば台湾の加入は阻止される可能性が高いためだ。

 貿易依存型経済の台湾にとって、国際的な自由貿易体制への参加は死活的に重要だ。台湾は当初、日韓や東南アジア諸国などで構成する地域的な包括的経済連携(RCEP)協定への加入を目指したが、中国が加盟したことで断念。TPP参加国のうち台湾との自由貿易協定(FTA)締結国はニュージーランドとシンガポールにとどまり、以前からTPP加入に向けて加盟国と非公式協議を続けてきた。台湾の蔡英文総統は23日、ツイッターに日本語で「日本の友人たちには我々のこの努力をぜひ支援して欲しいです!」と投稿。友好関係を深める日本などへの働きかけを強化する構えだ。

 一方で課題もある。…

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