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この国はどこへ これだけは言いたい 米中拮抗、日本の安保考える 元外務省国際情報局長・孫崎享さん

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孫崎享さん=手塚耕一郎撮影
孫崎享さん=手塚耕一郎撮影

「日中」活路は相互依存の深化

 「アメリカは中国に負ける 日本はどう生きるのか」。こんなショッキングな見出しの本がこの秋、河出書房新社から出版された。著者の孫崎享さん(78)に会いに行くと、こんな話を始めたのだった。「この国が米国のくびきから逃れることは現実的なシナリオとは言えないでしょう。ただ、今は国政選挙を控える季節です。米中が拮抗(きっこう)する現状を為政者たちがどう見ているのか、訴えに耳を傾けるべきではないでしょうか」

 孫崎さんは外務省で情報畑を歩き国際情報局長(現在の国際情報統括官)などを務めた人だ。いわば国際政治を読み解くスペシャリストである。孫崎さんによると、拮抗する米中関係を読み解くポイントの一つがアフガニスタンだ。ちなみに孫崎さん、イランやウズベキスタンといったアフガンの隣国で大使を歴任し、中央アジア情勢にも深く通じている。

 アフガン情勢といえば、世界最強の米軍がイスラム主義組織タリバンに追い出されるような形で撤退し、そのドタバタぶりがニュースになったばかりである。「米国の撤退は中国包囲網の一環だろうと思うんです。中国は新疆ウイグル自治区を中心にイスラム教徒の独立問題を抱えています。この新疆ウイグル自治区はアフガンと接していますから」。2001年からアフガンに駐留を続けた米国は「米史上最長の戦争」で実に2400人超の自国兵を失った。それでも撤退に踏み切ったのは、中国の勢いをそぐ必要性に迫られているからだ、と孫崎さんは指摘するのだ。

 世界地図を見ると、アフガンと中国はワハーン回廊と呼ばれるエリアでわずかに国境を接している。…

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