映画館復活に挑む 「空白地帯」にU・Iターン 30代夫婦の決意

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「映画館を復活させ、広い世界への入り口を作りたい」。デジタルシアター益田中央があった場所で、意気込みを語る和田浩章さん(左)と更沙さん=島根県益田市で2021年8月24日午後1時43分、萱原健一撮影
「映画館を復活させ、広い世界への入り口を作りたい」。デジタルシアター益田中央があった場所で、意気込みを語る和田浩章さん(左)と更沙さん=島根県益田市で2021年8月24日午後1時43分、萱原健一撮影

 シネコン全盛の今、地方の一角に町のシアターを復活させる。映画館が一つもない「空白地帯」で、そんなプロジェクトが進行中だ。今冬の実現を目指して挑むのは30代の夫婦。過疎化に悩む地域にU・Iターンした2人の奮闘を追う。

 東京のミニシアターで支配人をしていた千葉県出身の和田浩章さん(31)と、島根県の西端に位置する益田市出身の妻更沙(さらさ)さん(38)。夫婦は2021年6月、人口4万5000人ほどの益田市へ千葉県から引っ越してきた。映画館の復活に取り組むためだ。

 人口約67万人と全国で2番目に少ない島根県は東西230キロと細長い地形をしているが、県西部に映画館がない。このため益田市に住む人が映画を見に行くには、車や鉄道で2~3時間かけて県東部や他県へ足を運ばねばならない。住民の八坂美恵子さん(48)は「コロナで県境を越えるのは難しいし、近くに映画館がないのはさみしい」と話す。

3年前の偶然の出会いがきっかけ

 益田市にもかつて、映画館があった。中心部に建つ総合レジャービル「小野沢ビル」(6階建て)の3階にあり、08年8月に閉館した「デジタルシアター益田中央」。夫婦はこの映画館の復活を目指して合同会社を設立し、クラウドファンディングなどを通じて資金を集めている。活動のきっかけを作ったのは偶然の出会いだ。それは3年前にさかのぼる。

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